志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

今頃、著名な渡辺 保さんの『女形とは』『女形の運命』『芸の秘密』を読んでいる!凄い批評書だ!

2013-07-16 05:20:13 | 表象文化/表象文化研究会

雑誌『テアトロ』を長いこと購読していたが、演劇評論家の渡辺さんは、歌舞伎の批評家であり、研究者である。以前、東京の某劇団の舞台の観客席で渡辺氏がご一緒だったことがあるが、やはりクールな凄い方なのだと納得。フェミニズム演劇理論を考えていて、日本の芸能の神髄とは何かと考えた時「女形」が迫ってきた。渡辺氏のなぜ女形だったのか、の基本的考えに同意しつつも、また違った視点もあるのではないかと考えているが、それはもっと吟味してみたい。フェミニズム演劇理論が展開する紀元前から近代までの世界の演劇や舞踊などの展開が、男を中心になされてきた、その通史の背景ももっと吟味したい。一元的に家父長制の支配(現在に連なる)と言い切ることもできない複雑な社会のからくりもありそうだ。渡辺さんの視点に抜けているのは、「セクシュアリティ」ではないかと思えた。歌舞伎への造詣の深さの中で、鋭く日本社会をさす眼差しを感じて好ましく思えた。歴史を社会を見据える切り口は多様でいい。昨今、氏が上梓された『明治演劇史』を含め、氏の見据える先にあるのは、人間の本質論的なものなのだろうか?などと考えたのだが、じっくり読みたい書が並ぶ。謝!歌舞伎の前身としてのお能の構造・本質の分析も、んん、なるほどと、思った。虚構の身体は現実の写しではない。歌舞伎は写実の力がせり出す。


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