知花、当銘が好演 劇団綾船「冬の夜雨」2005年10月27日 (琉球新報から転載・備忘録と広報をかねて!)
「冬の夜雨」のクライマックスの場面=22日夜、那覇市の県立郷土劇場
第147回県民劇場劇団綾船公演が22、23の両日、那覇市の県立郷土劇場であった。上演されたのは、悲恋歌劇「冬の夜雨(ゆあみ)」(平良進作・演出)と喜歌劇「孝行三良小」(平良とみ演出)。若手が熱演、ベテラン・中堅が脇をしっかり固め、舞台を盛り上げた。
「冬の夜雨」は、歌手玉城貞子の同名曲を基に平良が創作。遊郭の女性チルー(知花小百合)と神山里之子(当銘由亮)の悲恋を描いた。
身分違いの恋と知りつつ2人は駆け落ちし、山里でひっそり暮らす。3年後、里之子の父親(平良進)が現れる。父親の命懸けの説得に、チルーとの別れを断腸の思いで決断する里之子の姿を当銘が好演した。知花も「出世をしたら、立派な姿を見せにきてほしい」と女心の切なさを見事に演じた。
チルーの抱え親の辻のアンマーを演じた平良とみや宮城亀郁、森田豊一、真栄田文子らベテラン陣は存在感ある演技で芝居を引き締めた。また高宮城実人、津波盛廣、具志清健らが軽妙な演技を見せ、笑いを交えることで、悲劇を一層もり立てた。
「孝行三良小」は子どもだけで演じた。慣れないウチナーグチで懸命に演じる子どもたちに盛んな拍手が送られた。