琉球舞踊公演を熱心に観る方ではない。しかしこの間、国立劇場が主催する「創作舞踊大賞入賞作品の公演」は観てきた。比較的琉球舞踊人口は多く、同じ古典や雑踊りの演目を多くの舞踊家が踊っているので、食傷気味になる。独演会などでは舞踊家の独自の創作舞踊が披露される機会が多いので、興味深いが、小さな島に芸能公演は多く、選択せざるを得ない。どちらかと言うと組踊や沖縄芝居、現代演劇を観てきた。新作は可能な限り観るようにしている。今回、創作舞踊の凄さと難しさを感じた。
第一部と第二部の公演を観て最も印象に残ったのは、広い舞台で、真境名あきさんが一人で踊った「小浜節」(真境名由康作)と、同じく玉城千枝さんが一人で踊った「もみじ花」(玉城千枝作・原案幸喜良秀)である。そして今回の入賞作品(奨励賞)の中では具志幸大作「愛し ヲナリ神」の深いテーマは、舞踊劇のような三部構成の斬新さで観衆を魅了していた。おそらく4作品の中で最も大賞に近い大作だったと言えよう。
優れた創作舞踊は踊り手の技量、歌詞、音曲、構成、テーマが鮮やかで、舞踊が一つの物語としてしっとりと迫ってくる。静寂な空気の中で一心に皆が舞台を見つめる。その幾分緊迫感をともなう創作舞踊の舞台化のたいへんさが鑑みられた。
歌詞を紹介しながら少し印象批評を書きたい。続く!パソコンを買い替えたり、そのほかの要件でなかなか書き込めません。玉城千枝先生の「むみじ葉」にとても感動したので、直に千枝先生に2時間ほどお話をうかがいました。その事を含めて書きたいと思っています。録画された映像が見れたらいいのですが、国立劇場おきなわのライブラリーではすでに視聴が可能でしょうか?AIのように脳裏に記憶が鮮明に残っているわけではないので、印象批評になりますね。新聞の芸能欄も批評にはなりませんね。紹介レヴェルです。ちょっと時間がかかりそうです。
歌詞は『ステージガイド』の中にはなく、QRコードにアクセスしてネットで4月末までに読めるようになっています。プリントしたのをここに添付します。
歌詞と音曲は舞踊の柱になります。テーマや構成の基軸で、実際の振り付けや所作はまたビジュアルなイメージになります。舞台美術も重要な要素になります。総合芸術としての舞踊が立ち上がってきます。
歌詞の意味と具体的に表で全身(思念)で表象された踊り(技芸)はマッチしています。どうテーマを歌詞と音曲(地謡の方々の歌三線の技芸の良し悪しもそこで問われてきます)に合わせて舞踊家が表象(表現)するか、かなりのエネルギーが放出されると推測できます。歌詞と音曲と構成に支えられ、テーマを身体で見せるわけですから~。(続く)
少しこちらに思ったことを書いていきます。少しお待ちください。
★2011年の東日本大震災から12年目の3月である。あの春の闇、陰鬱な思いが思い出される。あれから12年を経て復興は完璧になされているわけではないようだ。汚染は浄化されただろうか。国立劇場おきなわでは芸術監督は一言もあの大惨事、犠牲に触れなかった。せめて黙祷があっても良かった。