志情(しなさき)の海へ

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『沖縄の文化表象にみるジュリ(遊女)の諸相』の報告書完成!100部会場で無料配布します!

2016-03-12 03:01:37 | ジュリ(遊女)の諸相:科研課題

仲村善信先生の論稿「女性歌者と琉球音楽」が79ページと圧巻です!仲程昌徳先生の論文「沖縄の小説作品に出てくるジュリ(尾類・遊女)たち」や宜保榮治郎先生の「辻が支えた沖縄芸能」、その他「遊廓の芸妓が継承した琉球筝曲」、さらに付録資料を含めて全体で222ページです。今回、会場が80人~100人(?)ほどのキャパしかないので、100部を参加者に無料配布する予定です。

女性のプロの芸能者としての遊廓の芸妓や、舞妓を浮き彫りにすることが出来たと言えるかもしれません。文芸の中にも多くのジュリの女性たちが登場します。他の東アジアではどうだったのでしょうか?韓国の『妓生の表象』については川村 湊先生がお話することになっています。

瑞慶山和子先生は桜家音子さんの『花風」の歌にのせて踊ります。多嘉良和枝先生は三線を弾きながらご自分のオリジナル民謡を歌います。お二人がどう多嘉良カナさんや桜家音子さんについてお話されるか、お二人の人生の彩りと共にとても興味深い集いになるかと思います。

会場が広くないので、第一回のシンポジウムの時のように入れなくなる可能性があります。しかも当日は博物館・美術館の開館9時で開始が9時半ですので混雑が予想されます。先着順で会場に入っていただきます。仮に入れない場合はご容赦ください。報告書は県立図書館、那覇市歴史博物館、琉球大学図書館、沖縄大学地域研究所、沖縄県立芸術大学図書館、名桜大学図書館、国立劇場おきなわ資料室、国会図書館などに献本する予定ですので、そちらでも御覧いただけることになります。

なお、第一回シンポジウム、第二回シンポジウムの冊子(報告書)は「沖縄県立図書館」や「琉球大学図書館」などに献本していますので、そちらでごらんになってください。以前同じく科研報告書の『組踊の系譜ー朝薫の五番から沖縄芝居、そして『人類館』へ」は県立図書館や大学図書館に献本しています。那覇市立図書館はせっかく献本した報告書が処分されたとのことで書棚に並んでいません。那覇市のスタンスが曖昧なので、那覇市立図書館には献本はしないことにしています。将来的にほとんどがWEBで保存ということになるかもしれませんが、紙媒体はいいですよね。

よろしくお願いします。

〈表紙について〉

これは琉球大図書館の宣教師ブール文庫にあるガラス版写真から転載したものですが、 ブール師が直に書いた説明がいいと思ったのでそのまま表示しました。女性が男性と同じ条件で社会に参加できなかった国や地域ではどこでもプロの女性芸能者がいたのだという解釈であり、琉球・沖縄でも同様だったとの見解です。プロの音楽家であり踊り子として訓練される女性たちが世界中にいたのですね。琉球・沖縄でジュリと呼ばれた女性たちがまさにそうだったのです。隠蔽や侮蔑の眼差しを取っ払って、遊廓の女性たちが、プロの芸を切り売りしその美を追求してきた芸能者=女性パフォーマーとして認める時期ですね。一般庶民はすでに是認していたのですね。無視していなかったのです。しかし、彼女たちをはじいてきた層がいるのですね。もうそろそろやめにしましょう。琉球・沖縄の遊里・遊廓の女性たちは優れた芸能者、芸の継承者だったのです。ハレの場で日常的に芸能の神に奉仕してきたのですね。そして芸能は信仰やセクシュアリティ=豊饒のシンボルと関わっていたのですね。エロスとタナトスがスウィングする場でもあった遊廓です。近代の貸座敷制度や前借金による縛りの負の構造を認めながらかつそこは近世から近代にかけた大衆文化の中軸にもなっていたのですね。

純なる祭祀から遠くはなれてきた人間たちが求めてやまなかったものがまたあったのだと言えるのでしょう。


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