下中野という地域には推定樹齢650年ものツバキの樹があります。
その土地は個人所有で、そのツバキの樹もその所有者になります。
2002年に市の天然記念物に指定されましたが、数年前に県や国の指定を申請するような動きも有った様です。
(ここまで古い樹齢の椿で樹形が奇麗なツバキは全国でも数本しか無いそうです)
その様な事も有ってか、その所有者から「市職員が常駐する公民館内に飾る事になったので写真を撮って欲しい」との依頼を受け撮ったのですが、その2019年は花が殆ど咲かない年でしたが、どうしてもその年に飾りたいとの要望を受けて撮った写真をA3サイズで印刷し、額に入れて渡しました。
でも翌年になり、やはり花が咲いた状態のツバキの写真を再度撮って欲しいとの依頼を受け、何度か現地に足を運んで撮りましたが、この2020年の3月末に雪が積もりました。
これはもしかするといい写真が撮れるかも・・・
会社も定年退職していたので何時でもOKです。
それで撮ったのがこの写真。
これを見せると満足して頂いた様で、これをまた公民館に飾る事となり印刷をしましたが、手渡す直前にその依頼者は他界されてしまいました。
ご家族の方に話をしてみましたが、はっきりとした回答を得られずそのままお蔵入り。
ところが、昨年公民館に行くと2019年から飾られていた写真がありませんでした。
確認すると、イベントなどで壁面を使うのに不便だったのか、「手狭になったので撤去しており今後飾る事は無い」と云います。
写真の額は倉庫に保管してありました。
その後どうしても故人の想いを実現しなければ・・・
と思うようになり、倉庫に保管して有った額を頂いて来ました。
その額に入っていた最初の写真を雪景色の写真を差し替えて、説明書きを添付しました。
出来上がったのがこれです。
これを持って、ご家族にお見せして了承を得て地域の公民館に飾ってもらおうと思いました。
早速、地域の公民館長の家に行って状況を説明し、自治会長と話した上で了承を得ました。
その足で故人の家に行ってご家族の了承も得て飾る事になりました。
この公民館は以前の大きな公民館と違ってその地域の100軒の住民だけが必要な時だけ利用するだけの無人の公民館ですが、その地元の素晴らしい天然記念物ですし飾るに相応しい場所の様な気がします。
ここなら撤去されること無く何十年も飾ってもらえると思います。
これでやっと受けた依頼に対する使命も果たせて、故人も喜んでいる気がしました。