午後5時に 無言でのぞき 訴える

家でパソコンに向かっていると
午後5時過ぎに必ず、部屋のドアが静かに少しだけ動く。

そう。やつだ。

ドアはそれ以上開かず、その隙間から、こっそりと覗く瞳が。

何も言わず、無言の圧力を私にかける。



彼の中でルールがあるのか、私が声をかけるまで
そこから入ってこない。

だけど、なぜ私の頭の中に
「ママ、そろそろ散歩の時間やと思うんやけど…」
「まだ、いかへんの?」
「中で待ってたらいいの?」と彼の声がテレパシーのように聞こえて来る。

もちろん、彼は一言も言葉を発していないのに。

本当に不思議だ。

「中入って、もうちょっと待っててーな」と私が言うとすっと入ってきて
足元でフセをして待ってくれる。

フセとか、マテとか、全然指示していないのに。

仕事がおわって「ほな行こか!」と言うと、飛び起きて
シッポを振りながら、ストレッチを始める。

やっぱり、こういう日常が、とっても自然で平和を感じる。

そしていつも思う「風ちゃん、大好きやで!」




ママ、今日はどうしたん?
　　なんや、少しハードボイルドタッチやったね。
　　顔に全然似合ってないけどねー。


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