正月の二日に一般参賀があるのだが、驚くほど外人が多い、私は、たんなる観光かヒヤカシぐらいかと思っていた。
だが、世界の二大権威の片方、ぜひ、お目にかかりたい、そういう動機もあるのではなかろうか。
3年前に参賀したが、持ち物検査にボデイ・チェック、変なものは持っていかないほうがいい、男は男が、女性は女性がボデイ・チェック、
「ポケットになにか入れてますね」
「いいえ」
「丸いものがゴロゴロしてます」
「それは、わたしのナニです」
「ナニというと、なんですか」
「いうんですか」
「キケンブツやバクハツブツは、ダメなんですよ」
「キケンじゃありましぇーん、バクハツはプチ・バクハツでーす」
「なに、いってるんですか」
腹を立てた係官、
「ムンズ」
「ギャアー」
アラブ系の男性が、いやがりもせずに素直に従っていたのには驚いた、これは、実は、イヤなもんだ、それでも参賀をしたい、うれしいじゃあーないか、これが、彼ら・イスラームの人々が、日本の天皇を、どー思っているかの、ひとつの答えかもしれない。
参賀が終り、ゾロゾロと出口に向かう、前には、台湾からの老夫婦、一生の願いが実現した、
「これで、思いのこすことはありません」
しみいるような銀色のほほえみ、皇居の緑がまぶしい。