この国のインテリや学者は、禅宗を評価するようだが、
「どんなもんだろう」
それほどのものか、ずいぶんなのも多い、だから、坐禅や接心もしないで、あれやこれや言うのは、どんなもんだろうね。
「ザアー」
山の子タヌキがおどろいた、
「いまのは なあに」
「ぼーさんだ」
「ぼーさん」
「ああ むらのオンナに会いに行くんだな」
小太りのぼうずがふところから亀田製菓のセンベイ。
「はい おみやげ」
亀田製菓だ、
「これ たかいわよ」
「なあに 老い先みじかいジジイなんかに食わせることはない」
山の禅道場からくすねてきた、それで村のおんなのご機嫌をとっていた。