「人国記」は室町時代、この作者は、たった一人で、ニッポンの歴史を守り通したのかもしれない。
ヒライズミをつぶした京都の頭脳集団の中心は、やはり、あの律令制度を完成させた渡来系中国人の集団ではあるまいか、彼らは、生まれつきアタマがいい、みごとに列島の歴史をねじ曲げることに成功したかに思えた、主権さえにぎっていれば、
「勅令のひとつで なんとでもできる」
彼らこそ古代律令制度を完成させた中国系渡来集団の子孫、彼らの願望は、彼らを追放したあの国へのリベンジ、そのためには絵に描いたような歴史が欲しい、多少の虚構は必要、彼らが寄って立つ天皇家は、
「万世一系である」
彼らのリベンジは日清戦争でかなえられた、武士に主権を奪われたが、これは、明治維新で奪い返した、それは、この国にとっていいことであったのか。
「人国記」の作者は、
「頭脳は 真実と正義を実行するために使うべきだ」
京都の頭脳集団の対して、たったひとつの頭脳、そして、見事につながった、
「この国の人は 日の本の故にや
色白くして 眼の色青きこと多し」
東北の山野が
東北の山河が
笑っている
鬼と呼ばれたオトコたち
泣いている
ヘラクレスとクレオパトラが
はにかんでいる
列島の千年が
意味を持った
価値を持った
列島のいのちが つながったのだ。