ついに、次の一文に出会った、
「記録に残っていないのは祆教(けんきょう)の風習である護摩に芥子をいれて焚くということが、密教の僧侶にとって秘伝であり、記録は許されず口伝のみにて伝えられたからとも考えられる」
この著者は、この「芥子」は「ケシ」であるとして、しかも、その事実は「口伝(くでん)」によって、代々、伝達されたとする。
「大麻にせよケシにせよ、天平の昔以来、薬記帳にも記載されてこなかったのは、祈祷・巫術・呪術関係の秘伝として存在していた可能性が充分にあるからだと思われる」
なかなかの洞察ではないか、長年の疑問が氷解した。