三国は、
「わたしは 葬式や結婚式には出席しないようにしています」
なぜか、
「それは 当人たちを 祝福するためではなく 共同体における 出席者のの地位を確認する儀式だからです」
だから、
『この国の不合理と悪が 凝縮しているのです」
なにも、そこまで突き詰めなくたって、三国は、差別される側にいたようだ、三国の父方の祖母が亡くなった時、
「畜女という戒名をつけられてしまった」
「差別戒名」である、その二文字が少年の目に焼き付いた、
「それから わたしの ながい旅が始まったのです」
「遠い遠い少年の日の悲しみが 三国連太郎の秘密だったようだ」