日本農業新聞e農ネットに「慎重な議論 要望続出 監査見直し、准組規制・・・自民農協改革PT始まる (2015/1/21)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
自民党は20日、農協改革等法案検討プロジェクトチーム(PT、吉川貴盛座長)の初会合を開き、通常国会への農協法改正案の提出に向けた議論を本格的に始めた。
政府は法案の骨格を2月前半にもまとめたい考えだが、出席議員からは、政府が検討する単位JAへの公認会計士監査の導入や、准組合員への事業利用制限などに対する異論が続出。
現場の声を踏まえた慎重な議論を求める声も相次いだ。
意見集約は難航が必至だ。
PTには議員約130人が出席した。
吉川座長は会合終了後、政府が農協法改正案を策定する前に「(6月の与党取りまとめに沿った形で)法案の骨格をまとめていくのがわれわれの作業だ」と記者団に説明。
3月中旬にも法案を通常国会に提出する政府の方針を見据え、「できるだけ早く骨格をつくっていかなければならない」と述べた。
PTでは、JAの現状や6月の与党取りまとめについて農水省の説明を受けた後に議論。
焦点のJA全中による単位JAの監査をめぐっては、公認会計士監査の導入に批判的な意見や、費用や業務監査との一体性といった面から現行の全中監査を支持する意見が多かった。
准組合員制度についても「(JAには)地域社会のインフラとしての役割がある」など、事業利用制限に慎重な意見が大勢を占めた。
「改革は必要だが、農家や地方を中心に慎重な議論を」と、PTでの熟議を求める意見も続出した。
同党は衆院選の公約で農協改革について「議論を深め、着実に推進する」としている。
同PTは21~23日にも会合を開き、JAグループからの意見聴取や、農業委員会や農業生産法人の改革についての議論も行う。
21日には、公明党も農林水産業活性化調査会(石田祝稔会長)などの会合で同様の議論を始める。
・農協役員 自覚損なう 全中監査で政府見解
政府が、現行のJA全中による単位JAの監査について、農協役員の経営者としての自覚や責任感を損なうとして問題視していることが20日、分かった。
農水省が自民党農協改革等法案検討PTで説明し、菅義偉官房長官も記者会見で同様の見解を示した。
同省は「全てのJAの組合長が経営者としての自覚と責任感を持ってやっているとは必ずしも言えない」と指摘。
その上で「毎年、監査と指導を受けている、コンサルを受けているという状態でそれ(経営者としての自覚や責任感)ができるのか」と説明した。
菅官房長官も「現在、全中は監査と経営指導をセットで行っているので、農協側から見れば毎年、全中から経営コンサルを受けているのと同じことになっている」と強調。
「結果として、農協役員に経営者としての自覚、責任感が薄くなりがちだ」と述べた。
同省は、全中によるJAの会計監査についても、信用金庫や信用組合は1996年に公認会計士監査が義務付けられていることを踏まえ、「(全中監査で)将来ともずっと持つかというのは常に不安に思っている」と説明した。
ただ同省は、2013年の資料では「(会計)監査の質も確保」されているとの見解を示していた。
一方、07年に若林正俊農相(当時)が全中監査について「中央会における農協指導と監査は、車の両輪となって有効に機能」「公認会計士監査には置き換えられない」との考えを示していたことに対し、同省は「(昨年6月の与党取りまとめで)中央会制度の在り方、事業の中身や組織についても検討することになっているので、いろいろな角度から検討する必要がある。状況が変わっている」と説明した。
全中監査の義務付け廃止と農家の所得向上との関連性では「単位JAや連合会、中央会の在り方を含めてトータルでどうするかという話だ」と具体的な説明を避けた。
同省は、JAが公認会計士監査に切り替えた場合の費用の目安として、貯金量2000億円以下の信用金庫や信用組合では監査費用が689万円とした。
ただJAは信用事業以外の事業も行っており「689万円で収まるかは分からない」とも付け加えた。
一方、現行の全中監査は1JA当たり877万円と説明。
だが全中は、監査を賦課金で賄い、2分の1を連合会が負担しているため、JAの実質負担は400万円程度としている。
・「結論ありき」批判 全中監査廃止反対相次ぐ
農協改革をめぐり、自民党が20日に開いた「農協改革等法案検討プロジェクトチーム(PT)」の会合では、JA全中の監査権限廃止など政府が検討している改革案に異論が続出した。
ただ、政府側は急進的な改革を強行する姿勢を崩していない。
生産現場の声を踏まえた着地点へ押し返せるか、今後も党の存在感が問われる重要局面が続くといえそうだ。
政府は農協法改正案を3月中旬にもまとめ、国会に提出する方針。
PTでは2月前半にも骨格をまとめたい考えで、まずは20~23日の連日会合を開いて議論する。
ここでの議論の行方が最終的な結論を大きく左右することになる。
本格議論の皮切りとなる20日の会合には約130人の議員が出席し、開催時間は予定を上回る約2時間に及んだ。
発言した議員26人のほぼ全員が、政府が検討する急進的な改革案に異論を唱え、特に全中による単位農協の監査権限廃止に反対や慎重な議論を求める声が目立った。
「(全中監査廃止で政府が目標とする)農業所得がなぜ増えるのか、地元に説明ができない」と反対を訴えたのは岡田広氏(参・茨城)。
かつて全中監査を評価していたのに、一転して廃止を検討している農水省の姿勢を「長年間違っていたということか」と批判した。
PTの議論についても「ガス抜きでなく、結論ありきにならないように」と意見を十分踏まえるよう注文を付けた。
簗和生氏(衆・栃木)も「単協が地域特性に合った営農指導をやっていくことと、中央会をなくすことは同じじゃない」と全中監査廃止に強く反対。
山田修路氏(参・石川)は効率的な全中監査を続けるため、その組織形態は「(現行と同じく)農協法の中で規定していくべき」と求めた。
今回の農協改革で政府は准組合員の利用制限も大きな論点になるとの考えを示しているが、これに対する異論も目立った。
山本有二氏(衆・高知)は過疎化が進む地方ではJAが運営する金融窓口などが、地域住民のインフラとして大きな役割を果たしていると強調。
「中山間地で農協の存在は極めて大きく、これを壊さないことが大事」と利用制限に反対した。
菅家一郎氏(衆・比例東北)も「地方創生という大きな流れに逆行し、地方切り捨てになるような改革はぜひ避けるべき。(利用制限は)慎重な議論を」と訴えた。
出席した議員からは「結論ありきでは困る。執行部は発言を慎重にしてほしい」などと急進的な改革実現に向けて主導権を強める首相官邸に対する不満も相次いだ。
というもの。
結構シッカリと話し合いがされている感じは伝わってくるが、強硬姿勢の方がやはり強そうだ。
どこでも、なんでもそうだが、強行という行動で、成功した試しは無い。
内容は以下の通り
自民党は20日、農協改革等法案検討プロジェクトチーム(PT、吉川貴盛座長)の初会合を開き、通常国会への農協法改正案の提出に向けた議論を本格的に始めた。
政府は法案の骨格を2月前半にもまとめたい考えだが、出席議員からは、政府が検討する単位JAへの公認会計士監査の導入や、准組合員への事業利用制限などに対する異論が続出。
現場の声を踏まえた慎重な議論を求める声も相次いだ。
意見集約は難航が必至だ。
PTには議員約130人が出席した。
吉川座長は会合終了後、政府が農協法改正案を策定する前に「(6月の与党取りまとめに沿った形で)法案の骨格をまとめていくのがわれわれの作業だ」と記者団に説明。
3月中旬にも法案を通常国会に提出する政府の方針を見据え、「できるだけ早く骨格をつくっていかなければならない」と述べた。
PTでは、JAの現状や6月の与党取りまとめについて農水省の説明を受けた後に議論。
焦点のJA全中による単位JAの監査をめぐっては、公認会計士監査の導入に批判的な意見や、費用や業務監査との一体性といった面から現行の全中監査を支持する意見が多かった。
准組合員制度についても「(JAには)地域社会のインフラとしての役割がある」など、事業利用制限に慎重な意見が大勢を占めた。
「改革は必要だが、農家や地方を中心に慎重な議論を」と、PTでの熟議を求める意見も続出した。
同党は衆院選の公約で農協改革について「議論を深め、着実に推進する」としている。
同PTは21~23日にも会合を開き、JAグループからの意見聴取や、農業委員会や農業生産法人の改革についての議論も行う。
21日には、公明党も農林水産業活性化調査会(石田祝稔会長)などの会合で同様の議論を始める。
・農協役員 自覚損なう 全中監査で政府見解
政府が、現行のJA全中による単位JAの監査について、農協役員の経営者としての自覚や責任感を損なうとして問題視していることが20日、分かった。
農水省が自民党農協改革等法案検討PTで説明し、菅義偉官房長官も記者会見で同様の見解を示した。
同省は「全てのJAの組合長が経営者としての自覚と責任感を持ってやっているとは必ずしも言えない」と指摘。
その上で「毎年、監査と指導を受けている、コンサルを受けているという状態でそれ(経営者としての自覚や責任感)ができるのか」と説明した。
菅官房長官も「現在、全中は監査と経営指導をセットで行っているので、農協側から見れば毎年、全中から経営コンサルを受けているのと同じことになっている」と強調。
「結果として、農協役員に経営者としての自覚、責任感が薄くなりがちだ」と述べた。
同省は、全中によるJAの会計監査についても、信用金庫や信用組合は1996年に公認会計士監査が義務付けられていることを踏まえ、「(全中監査で)将来ともずっと持つかというのは常に不安に思っている」と説明した。
ただ同省は、2013年の資料では「(会計)監査の質も確保」されているとの見解を示していた。
一方、07年に若林正俊農相(当時)が全中監査について「中央会における農協指導と監査は、車の両輪となって有効に機能」「公認会計士監査には置き換えられない」との考えを示していたことに対し、同省は「(昨年6月の与党取りまとめで)中央会制度の在り方、事業の中身や組織についても検討することになっているので、いろいろな角度から検討する必要がある。状況が変わっている」と説明した。
全中監査の義務付け廃止と農家の所得向上との関連性では「単位JAや連合会、中央会の在り方を含めてトータルでどうするかという話だ」と具体的な説明を避けた。
同省は、JAが公認会計士監査に切り替えた場合の費用の目安として、貯金量2000億円以下の信用金庫や信用組合では監査費用が689万円とした。
ただJAは信用事業以外の事業も行っており「689万円で収まるかは分からない」とも付け加えた。
一方、現行の全中監査は1JA当たり877万円と説明。
だが全中は、監査を賦課金で賄い、2分の1を連合会が負担しているため、JAの実質負担は400万円程度としている。
・「結論ありき」批判 全中監査廃止反対相次ぐ
農協改革をめぐり、自民党が20日に開いた「農協改革等法案検討プロジェクトチーム(PT)」の会合では、JA全中の監査権限廃止など政府が検討している改革案に異論が続出した。
ただ、政府側は急進的な改革を強行する姿勢を崩していない。
生産現場の声を踏まえた着地点へ押し返せるか、今後も党の存在感が問われる重要局面が続くといえそうだ。
政府は農協法改正案を3月中旬にもまとめ、国会に提出する方針。
PTでは2月前半にも骨格をまとめたい考えで、まずは20~23日の連日会合を開いて議論する。
ここでの議論の行方が最終的な結論を大きく左右することになる。
本格議論の皮切りとなる20日の会合には約130人の議員が出席し、開催時間は予定を上回る約2時間に及んだ。
発言した議員26人のほぼ全員が、政府が検討する急進的な改革案に異論を唱え、特に全中による単位農協の監査権限廃止に反対や慎重な議論を求める声が目立った。
「(全中監査廃止で政府が目標とする)農業所得がなぜ増えるのか、地元に説明ができない」と反対を訴えたのは岡田広氏(参・茨城)。
かつて全中監査を評価していたのに、一転して廃止を検討している農水省の姿勢を「長年間違っていたということか」と批判した。
PTの議論についても「ガス抜きでなく、結論ありきにならないように」と意見を十分踏まえるよう注文を付けた。
簗和生氏(衆・栃木)も「単協が地域特性に合った営農指導をやっていくことと、中央会をなくすことは同じじゃない」と全中監査廃止に強く反対。
山田修路氏(参・石川)は効率的な全中監査を続けるため、その組織形態は「(現行と同じく)農協法の中で規定していくべき」と求めた。
今回の農協改革で政府は准組合員の利用制限も大きな論点になるとの考えを示しているが、これに対する異論も目立った。
山本有二氏(衆・高知)は過疎化が進む地方ではJAが運営する金融窓口などが、地域住民のインフラとして大きな役割を果たしていると強調。
「中山間地で農協の存在は極めて大きく、これを壊さないことが大事」と利用制限に反対した。
菅家一郎氏(衆・比例東北)も「地方創生という大きな流れに逆行し、地方切り捨てになるような改革はぜひ避けるべき。(利用制限は)慎重な議論を」と訴えた。
出席した議員からは「結論ありきでは困る。執行部は発言を慎重にしてほしい」などと急進的な改革実現に向けて主導権を強める首相官邸に対する不満も相次いだ。
というもの。
結構シッカリと話し合いがされている感じは伝わってくるが、強硬姿勢の方がやはり強そうだ。
どこでも、なんでもそうだが、強行という行動で、成功した試しは無い。