昨日、「全てが落第 やり直し」という投稿をしたところ、「記入の仕方が判らない」という問い合わせがあったので、少し記入内容の説明をしておく。
「基準」:産地が一般的に出荷・販売しているお米のこと
「特栽(現行)」:産地が出荷・販売している特別栽培米のこと(5割減・7割減・8割減などの記入が必要)
「差別化(現行)」:自分たちに対して出荷・販売している特別栽培米以上のレベルのお米のこと(レベルごとの記入が必要)
自分としては、まず、この「特栽(現行)」と「差別化(現行)」について、どの位の違いがあるのかが知りたい。
現行で、シッカリと「差別化」出来ているとしてら、「見直し案」は、「現行通り」として終わりである。
現行を比較した結果、差別化出来ていないというのであれば、何処の部分について、どの程度見直すのかが知りたい。
このシートは、それを把握するためのものだと理解してほしい。
地域ブランド米を作る上で、絶対に変更できないのは、当たり前の事として「種子更新」は100%。
生産者の保有種子について一切認めないのは常識。
「網目」については、農水省が2015年産米から、作柄の良しあしを示す作況指数の計算方法を約60年ぶりに見直し、北海道、東北、北陸=1.85mm 四国・沖縄=1.75mm その他=1.8mmとした事から、基準米については1.85mmで構わないが、「差別化米」については、より炊き上がり状態を良くしていきたいことから、1.9mm以上で検討してもらいたい。
当然、品種としての限界がある事は理解しているが、「整粒歩合」などを見直せば、100%不可能では無いはずである。
「色選:色彩選別機」については、「ブランド米」を作る考えがあるのなら、「持っていない」では通用しない。
現在持っていないのであれば、「何年後に導入予定」としてほしい。
「食味値」については、ほとんどの産地が未記入であった。
「差別化」をすると言っていながら、この数字が出てこないというのは、明らかに考え方として矛盾している。
品種育成の段階で、平均的な食味値は出ているので、問い合わせをしたりして、シッカリと記入してほしい。
「今まで測っていない」という事実もあるだろうが、今回記入してもらうのは「目標値」である。
どこかの産地のように、出来もしない食味値を提示してしまい、その後1回も数値がクリアではないという愚かな事をするのではなく、「タンパク値」「千粒重」「整粒歩合」などと比較をしながら、目標値を記入してほしい。
「タンパク値」についても、「食味値」と同様である。
「千粒重」についても、ほとんどの産地が未記入であった。
「大粒のお米」と言う産地なら、この数値は把握しているはずであるから、シッカリ記入してもらいたい。
口では「大粒」と言っていながらデータが無いというのであれば、計画ミスの一言である。
そんな程度で、価格に反映することは不可能と理解するべきである。
「整粒歩合」についても「差別化」をするのであれば、基準よりも割合が高くなるのは当然である。
「流通」で注意してもらいたいのが、「差別化米」については、生産者販売は「不可」である。
作り上げたブランド米が、いつのまにか1人の生産者のブランド米のようになってしまった事例がいくつかあり、そのブランド米に付いては、自分たちは助ける事も育てる事も出来ないので、切り捨てる事となるからである。
(JA販売は、ブランド米としての考え方と販売価格等の調整がつけば「可」となる)
それ以外の「流通」と「PR面」については、自分がとやかく言うものではないだろうから、産地として「差別化米」をどう育て、どう守り続けるかを記入してもらえればよい。
自分がかかわっていない産地の人たちも、時間があれば添付したシートに記入をしてみたらよい。
自分が販売しているお米が、どの程度のレベルなのかが、良くわかると思う。