こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

お米嫌いの理由

2015年12月28日 17時49分50秒 | Weblog
いまだに「5kg買えば○○○○円で、10kg買うと○○○円安い」という売り方が多い。
しかし、この売り方は、消費者にとって「お得」なのだろうか。

腐らないもの等であれば、確かに「お得」なのかもしれない。
でも、時間とともに鮮度・味が落ちていく食品では、食べきってしまうのであれば良いのだが、そうでなければ、必ずしも「お得」とはならないと思う。

お米は、果たしてどちらであろうか。

ずっと味が落ちないものであろうか。
それとも、日々味が味が落ちてしまうものなのだろうか。

どこかの政治家が備蓄米を食べて、「美味しくない」みたいな発言をテレビで言っていた。
政治家としてどうなんだという気持ちがありながらも、それが正直な答えなのだと思う。

「子供がご飯を食べない」という親から、相談を受けることが何度も繰り返されている。
子供に聞いてみると、ご飯を食べるのが嫌いではないという場合が多い。
では、なぜ食べてくれないのか。

原因は縁故米でもらったお米を、数か月かけて食べている家庭の子供。
安いからと言って、まとめ買いをしてしまっている家庭の子供たちに、お米嫌いが多いのだ。

つまり、精米してから日数がたってしまって味が落ちているお米を、不味いのに我慢して食べさせられている子供たちが、お米嫌いとなっているのだ。

産地からすれば、「お米をあげれば喜んでくれる」と、安易に思っているようだ。
しかしは現実、消費地の1ヶ月の消費量は4kgにも達していない。
そこに30kgを送ってしまえば、日々味が落ち続けているお米を、6か月以上食べ続けることになるのだ。

親であれば、「○○さんからもらったお米だから」と判っているので、ある程度は我慢して食べることが出来るだろう。
しかし、そういうしがらみが関係ない子供からすれば、不味いものは不味い。
食べたくないものは、食べたくないのである。

子供のために。
孫のために。
と、縁故米としてお米を贈っている生産者は、反省するべきである。
自分の愚かな行為で、大切な孫たちが、「お米嫌い」となっているかもしれないのだ。
故郷に遊びに来た孫が、パンばかりを食べているとしたら、自分のせいだと思った方が良い。

どうしても自分が作ったお米を、食べてもらいたいと思うのであれば、毎月、精米したてのお米を5kgだけ贈ってあげた方が良いと思う。

そして、スーパーや産直で、お買い時だからと、まとめて買っている消費者と、そういう買い方を推進している業者も、自分のことしか考えていないと反省するべきだ。

どんなに「美味しい」と言われるお米を作ったとしても、それを食べる子供たちが、既に「お米嫌い」となってしまっているのであれば、あまりにも無意味すぎる。

「美味しいものを味が落ちる前に食べきる」

料理やスイーツなどでは当たり前のこと。
なぜお米だけ、その考え方にならないのだろうか。
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ふれあいインターネット農園のご案内

2015年12月28日 16時07分16秒 | Weblog
自分が以前勤めていた、一般財団法人 北海道農業近代化技術研究センターから、来年度の「ふれあいインターネット農園」のパンフレットが届きました。
「ふれあいインターネット農園」は、北海道の深川市で栽培する、安全・安心な農産物栽培を通じて、消費地と農村の新たな交流スタイルを提案しています。

スズノブでは、この「ふれあいインターネット農園」で栽培してもらった農産物(無農薬栽培)を、お米をご購入のお客様にプレゼントしていましたので、タイミングがあった人は、トウモロコシ・かぼちゃ・スイカ・大根・ジャガイモ・トマトなどが貰えたと思います。

申し込みは新年からとなりますが、スズノブ本店と千葉店では、申込み用紙を店頭に置いてありますので、ご興味のある方は、パンフレットをご覧になって、お申込みしてみてはいかがでしょうか。

(この企画は、次世代型の米屋「超米屋」の、産地交流企画の1つとして検討されています)





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変わる買い方

2015年12月28日 13時32分33秒 | Weblog


これは、地方でブランド化計画の話をするときや、この前の東京農業大学のセミナーで話していることであるが、スーパー・量販店だけでなく、ドラッグストア・コンビニでもお米を売るようになったことで、変わり始めた消費者の買い方について説明している図である。

以前から、米屋で買う消費者は、野菜などはスーパーで買い、お米だけをわざわざ米屋にまで買いに来るのであるから、「こだわり重視派」と言われ、スーパーなどでお米を買っている消費者については、「価格重視派」という言い方をしていた。
これが、俗にいう「二極化」というもの。



実は、この分け方も古すぎて、今や使い物にならない。
なぜなら、お米にこだわりたくても、側に米屋がない地域では、スーパーでお米を買うしかないという消費者が増えているからである。

2つの図にある「国内産で買う」は、5kg1500円前後のお米を買っている消費者。
「こだわりで買う」は、「ゆめぴりか」「つや姫」「さがびより」「魚沼コシヒカリ」などの、5kg2000円程度から上の価格のお米を買う消費者。
または、品種にこだわって買う消費者。

「外国産を買う」は、5kg1000円以下で、一定品質で格安のお米を買う消費者。
または、外国生活が長く、国産米とは違う特徴のお米を食べなれている消費者。

そこに追加されたのが、「価格重視のネットで買う」という消費者。
スーパー・量販店でお米を買いながらも、状況に応じてはネットでも買う。
または、棚に有るのであれば、スーパーなどから買い、取り扱いがなければネットで買うという消費者。

当然ネットの中でも、二極化はされてしまっているので、「価格重視のネットで買う」という消費者と、「ふるさと納税で買う」「産直ネットで買う」「米屋ネットで買う」という消費者に分かれる。

つまりこれからは、今までの、売り場の中での二極化ではなく、外国産米と売り場を持たないネットまでが参入し、入り乱れての売り場と買い方になると考えても良い。

戦いは既に始まっている。
露骨に表面化するのは、来年春頃のような気はする。
もっとも、今まで書いている内容については、始めからネットで売っている生産者にとっては、全く意味のない話であろうが・・・

今回書いていない、図からも外されている「こだわりで買う」については、たぶん書くことは無いと思う。
書くとしたら「超米屋」の話の中となるだろう。
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ブランド米の法則

2015年12月28日 11時13分34秒 | Weblog
先ほど紹介した「商経アドバイスの記事にも書かれているが、自分は「価格と品質に差があり、栽培地も青森にまで広がってしまった「コシヒカリ」は、ブランド米としての価値は終わっている」「スーパーの特売米イメージが定着してしまった「あきたこまち」と、中途半端な存在のまま定着している「ひとめぼれ・はえぬき」も、もはやブランド米としての価値は無くなってしまっている」と言い切っている。

全国で開催されているコンテストやコンクールでは、圧倒的に「コシヒカリ」が入賞している。
なのに、「ブランド米としては終わっている」とは、つじつまが合わないと思うであろう。
そう思ってしまった人は、自分のための「コシヒカリ」であって、地域の将来のための「コシヒカリ」という考え方は薄いかもしれない。

ブランド米 = 美味しいお米 = 誰もが知っているお米 = 高いお米 = 贈答に使えるお米 = 世界に通用するお米
という法則があることを知っているだろうか。

「ブランド米」と言われるためには、まず、食べた人の多くから「美味しいお米」という評価を受けなければならない。
さらに、食べたことがなくても「誰もが知っているお米」という認知度が必要となる。

「美味しいお米」は、栽培方法を絞り込んで、品質を安定させることが出来れば、意外と言ってもらえることは事実である。
しかし、「誰もが知っているお米」となると、かなり違ってくる。

消費地では○○コンクールとか○○コンテストという報道は一切ない。
だから、多くの生産者が目指しているコンテストやコンクールについて消費者は存在すら知らない。
なので、知らないコンテストやコンクールに入賞したと言っても、あまり効果は出ない。
実際、「○○○○○氏栽培コシヒカリ」と書かれていても、その人を知らなければ、大きな感動にはならない。
「ああ、そうなんだ」程度で終わってしまう。
それよりも、お金にものを言わせてコマーシャルを打った方が、「誰もが知っているお米」ということにはなるだろう。

では、「誰もが知っているお米」は、高いのであろうか。
「ゆめぴりか」「つや姫」「さがびより」は、5kgいらで売られているのだろうか。
お米の王様と言われている「魚沼コシヒカリ」は、5kgいらで売られているのだろうか。
1000円台から10000円を超えるものまで、大きな差というより、大きすぎる差がある。
実際、何処の値段から「美味しいお米」となるのだろうか。
1000円台で「美味しいお米」というのであれば、それ以上で売られているお米は「涙が出るほどに美味しいお米」なのだろうか。
それとも単純に「詐欺米」となるのだろうか。

次に話を進めて、「美味しいお米 = 誰もが知っているお米 = 安いお米」と言えば、大手スーパーの特売米である。
「特売米 = ブランド米」という人は、まずいないであろう。
そして、「特売米」を贈答に使うということも、ほとんどないであろう。

「ブランド米」は「貰ってうれしいもの」「貰って価値があるもの」。
そして贈り側も、「喜んでもらえると思って贈るもの」だと思う。

あるOLさかんから「あきたこまち」を買わなくなった理由を聞いたことがある。
答えは「あきたこまちは好きなお米だけど、特売のお米を買っていると思われるのが恥ずかしいから買わない」だった。
そして「会話に出てくる話題のお米を買っている」と言っていた。

生産者や安売りをしている人たちは、このOLさんの気持ちを、どう考えるだろうか。
安売りされているせいで、好きなお米が買えないのである。

さらに、この現実を知りもせずに、勝手に「ブランド米」と言っている。
そして乱売・直売を繰り返し、手持ちのお米が足りなくなってくると、低品質のお米を混ぜたり、違うお米を混ぜて偽造米を作ったり。
それでも売れなければ、縁故米としてあげてしまう。

まさに最悪。

ブランド米 = 美味しいお米 = 誰もが知っているお米 = 高いお米 = 贈答に使えるお米 = 世界に通用するお米
という法則。
もう一度、シッカリと考えてもらいたいものである。
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掲載記事

2015年12月28日 09時44分03秒 | Weblog


東京農業大学総合研究所、コメの研究者や業界関係者を網羅し、その活動を支援する研究会「稲・コメ・ごはん部会」を、世田谷区の学内で12月に発足させ、その発足記念セミナーが12月上旬にあり、自分はそのセミナー3を受け持っていた。

その時の内容が、お米の業界紙「商経アドバイス 12月21日号」に掲載されていたので、遅ればせながらご紹介。
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