コンテストの場というのは、何回参加しても、決して慣れる場ではない。
というか、慣れてはいけない場なのである。
異常気象が続き、栽培コントロールが出来ないなかで、自分の技術の限界で、絞り出した知識の全てを使って、お米を作り続ける。
でも、限界を越えるほど頑張っても、出来の良い悪いは、ゆっくりと、しかし確実に判ってくる。
それでも見捨てず、1%もないかも知れない可能性を信じて、稲刈りの日がくるまで、お米の成長を、手助けし続ける。
そんなお米が、今日の会場には、ズラリと並んでいた。
並んでいたお米は、どれも選ばれた、磨き抜かれたお米で、見た目も、形も、大きさも、文句の付けようがない、見事なものばかりだった。
そんなお米ばかりが集まったコンテストなのだ。
どんなに回数を重ねても、決して慣れてはいけない。