歯の詰め物がとれたという夫のお供で 歯医者に行きました
余り 歯医者に縁のない夫が 私が直近でかかった歯科医院に行くと言うのを
「 ちょっと 待って! 」と 止めました
決して悪い歯医者さんではないのですが 夫のこれからを思うと 何でも相談し信頼できる医師がいいかなと思うのです
そして すぐ傍に駐車できること 等々の条件があり
迷いながらも 何とか決めて 予約しました
当日 車を停めて 初めて医院の前に立つと・・・
何とも昭和レトロ・・ 昔はこんな歯医者さんだったなぁと 懐かしさがこみ上げる風情です
靴を脱いで 小さな待合室に入ると
「 先生はお昼食べに行って まだ帰っていません 少し待ってくださいね 」と 受付の人
夫が問診表などを書いていると やがて 先生が帰って来ました
年配の方です
名前を呼ばれ 夫が診察室に入りました
コロナ対策で 診察室と待合室の間のドアは開けっぱなしなので 会話の端々が耳に入ってきます
先生は どうも 夫の子供の頃の食事に 強い関心を持ったらしく 「いりこ」とか「じゃこ」とか「 間食には何を食べた?」とか訊いているようです
それから 歯科衛生士さんに代わり 歯石を取ってもらったのですが
夫が出て来たのは なんと2時間後の事でした
「 歯医者で 2時間以上も掛ったのは 初めてだよ 」と 呆然状態の夫を
「 大変だったね 大丈夫? 」と労いました
詰め物が取れたと思ったのは 歯が少し欠けていたのでした
そこを 治し これからの毎日の歯のメンテナンスを 徹底的に教えてもらったのだとか・・
「 歯ブラシ 練り歯磨きは要らない デンタルフロスと歯間ブラシを食べた後にするそうだ 」
と夫
「 ええっ 1日3回も??? 」と 私
「 そう やり方を教えてもらった 」
そして 夫の歯の質は とても良いのだそうです
すると 夫の後に 診察室から出て来た奥さんが口を挟みます
「 『奇跡の歯だ! 』って 先生がおしゃっていましたよ 」
「 ホントに 羨ましい 」
夫が言うには 子供の頃 永久歯に生え変わる前までに 煮干しやいりこを多食していると フッ素塗布など必要のない 虫歯にならない歯になるのだそうです
それで 先生は しきりに夫の食生活を訊いていたのですね!?
びっくりした私は 奥さんを向いて言いました
「 (医者に)褒められるなんて 滅多にないことなんです 」
ウルウル・・
そして 振り返り 夫に
「 それなら 生きている限り その歯を大事にしなければね 」
すると 夫も 素直に こっくり頷く
奥さんは 毎日の歯の手入れについて 助言をくれたり
なんとも ゆったりとした時間 人情溢れる一日となりました