消えた声

庭のヤマボウシの木に　かけられたメジロの巣から　微かな声がする

「 シィー・・・ ほら 聴こえるでしょ！ 」　

やっと　ヒナが孵ったらしい

その前日　親鳥が「　チィー！　チィー！ 」と　嬉しそうに　鳴き交わしていた

ヒナが　殻を破ろうとしているのに　気づいたのかもしれない

親メジロたちは　喜びに満ちていた

長い間　卵を温め続けていた　親鳥は

これからは　虫などの餌を運ぶのに　大忙しになるのだろう

と　思っていたら　一向にその気配がない

夕方　窓からそっと覗いてみた　

巣の傍らの枝にある　彫像のような影は　親鳥のものに違いない

その凍りついたようなシルエットから　不吉なものを感じた

朝　窓を開けた

お腹が空いたと　騒ぐヒナたちの声は　聴こえない

親鳥の姿も見えず　巣は　シンと静まり返っていた

そこに　生きているものの気配は　少しもなかった

そういえば　一度も　親が餌を運んでいるのを　見なかった

もしかしたら　生まれた子が余りにもひ弱で　育たないと　親は諦めたのだろうか？

何かをしながらも　時々　注意が窓の外へと逸れてしまう

その度に　もう終わった事なのだと　自分に言いきかせる

洗い物をする水音の合間に　生きるものたちが起こす　空気の波動を感じて

私は　慌てて手を拭きながら　窓辺へと急いだ

鳥の巣は　変わらぬまま

遠くから　蝉の声が　波のように押し寄せた

*****


シャボン玉　消えた　飛ばずに　消えた

生まれて　すぐに　壊れて　消えた

風　風　吹くな　シャボン玉　飛ばそ 

緑陰一会

射抜かれるような　強い日差し

僅かな　信号待ちの間も　

傍らのプラタナスの緑陰に　次から次へ　人が逃げ込む

デイパックを背負った人　自転車のオジサン　ベビーバギーを押す若いお母さん

そして　私

小さな安全地帯に入って　みなホッと　同じ想いで顔を見合わせた途端

信号が　青に変わる！

それぞれの行先へと　また　みな　足早に歩き始めた

晩夏の　真昼間

***　以前撮った　写真です　***

熟す － ほおずき －

白い　清楚な花が　実を結び

お日さまの光を　存分に浴びて

紅い　ランタンになった

人目を惹く　その色は　様々なものに譬えられます

ヤマタノオロチの　爛々と光る　目

妖怪　提灯小僧の　頬の色

山奥の家で　育てられている　お日さまの子どもという　昔話もあったね

なぜか　想像力を掻き立てられる

ほおずき・・　酸漿・・　鬼灯・・・
 

ツリガネニンジン（釣鐘人参）

リ　リ　リ　・・・　ル　ル　ル　・・・　リン　リン　・・・

優しく　震え

秋を　呼ぶ　ツリガネニンジンの花

薄紫の　その色は

たとえ　夏の暑さが戻る時が　あっても

秋は　もうそこに居ると　伝えているようです 

庭の木のメジロの巣は　ひどい雨の中　大丈夫だったのでしょうか？

心配していたら　巣の上に　親鳥の頭が　ピョコピョコ

まだ　ちゃんと　卵を抱いているようです

良かった～　

 

篠突く雨

細い竹を束にして　真っ直ぐ地面に突き下ろしたような　激しい雨

「 篠突く雨 」

帰宅時のバス停は　長蛇の列

普段は歩いている人たちも　余りに激しい雨足に　恐れをなしています

傘をさしていても　雨の跳ね返りで　

結局　家に帰った時は　ずぶ濡れ

バスから見た川も　ごうごうと　凄まじい勢いだったし・・・

この雨が　何時間も続いたら　大変な事になるかもしれないと思いました 

雨は　その時よりは　収まったものの

まだ　降り続いています

寝不足

昨夜　起こされて

雷に怯える　モモコを　ヨシヨシしていました

それも　二度も・・・

どうも　寝不足のようです

（ 私が・・・　モモコは寝てばかりだから　すぐに回復できるもの ）

頭も　ズキズキします

早く　寝ましょう

おやすみなさい　

*****　以前撮った　写真から　*****

 

アレチウリ （荒れ地瓜）

遠目から見たら　美しいリースのようでしょ！？

でも　これは　繁殖力がすさまじい　帰化植物

「 アレチウリ 」　です

ツルのように巻きつきながら　高木をも覆い尽くし　枯死させてしまうそうです

う～～ん・・・

困ったねぇ　

 

花畑で

潤いを取り戻した　花畑は

コスモスが　グンと　背丈を伸ばしてた

ピョンピョンと　飛び出す　バッタ

スーイスイと　トンボの　追いかけごっこ

そして

つい　カメラを向けたくなる　キアゲハ

いま　花畑は　虫たちの天国

とまり気

飛ぶの ？　留まるの ？

微妙な　バランス

トンボの　メールは

モールス信号

・－　・－－・　・－・・　

***　以前　撮った写真です　*** 

ニュートラル

季節の狭間にできた穴に　ポトンと落ちた

今の空は

何の色？

色褪せた　夏の色・・・

それとも

まだ　色づかぬ　秋の色？

いいえ　まだまだ　別れはしないと

夏の声

　ポン！　ポン！　ポポポン！

遠い夜空に　花火が上がる