声を かけたら
「 おはようございます 」 と 顔を振り向けた 女の子
つい この間まで
ランドセルを 背負っていたのに
いつの間にか
ふっくらと 内から光が差すような 娘に
厳しい寒さの中で
知らぬ間に 育まれていた 梅の蕾
恥じらいを 含んで
ふっくらと 微笑む 花の姿は
まさに
十五の 春
西の空から 何かが 押し寄せてきた
目に見えないものが 空を駆けめぐる
地上に 何本もの 肢を下ろした
巨大なクラゲのような 黒雲が
陽を 呑み込もうとする
その瞬間
陽が 鳥を放った
光の種を咥えた その鳥は
怪しげな黒雲から 逃れ
矢のように 飛び去って行った
なーんて お話が 頭に浮かんできました
枯れ野には
凍えるような風が 吹いているのに
池には 氷が張っているのに
「 もう 冬のコートなんか 着ていられない 」
と言う ネコヤナギ
ワインレッドのコートを 脱げば・・・
ふわふわ すべすべの 純白のビロードのドレス
季節の先取りこそ命 という お洒落さんです
夕暮れ時 「 あっ・・ もう こんな時刻 」 と 焦ると
外は まだ 明るくて
日一日と 日が伸びているのに気づく この頃です
大寒を過ぎて
光の中に 微かな春を 感じませんか?
春隣 (はるどなり)
空気が 次第に 明るく膨らみを帯びてくる時期を 表わす季語
良い言葉 ですね
雪景色の池で 出逢った
コサギの美しさに 目を奪われて
次に 夢中になったのが
カワセミ
鮮やかな色彩の 奇妙な小人のような鳥が
一直線に 水に潜り 魚を獲る
すぐ目の前で 繰り広げられる カワセミのショーに
時が過ぎるのも忘れ 見惚れていました
追っかけをしていた お陰で
今も 声を聞いたり 鳥影が目の端に入っただけで
カワセミ・アンテナが ピピッと反応します