地震があった後 母のいる老人ホームに行った時のことです
ラウンジで 訪ねてきた息子さんらしい人の傍らの M代さん
「 もう どうしようかと思ったよ 」と 一生懸命話している
「 A子~! S代~! K男~!って大声で叫んだけど 誰も来てくれなくて・・・ 」
( 地震の時の話ね よっぽど怖かったのね ~
・・・ん??? M代さんって ほとんど喋らない人じゃなかったっけ? )
そうなんです
初めて見かけた時は 耳がよく聞こえないという話だった
だから 私の話も聞こえないのかな~と 思っていたら ある時 そうでもないらしいと分かった
私が母にご飯を食べさせている時
いつも M代さんは離れたテーブルから 微笑んでいるような目で見ている
でも 反応も余りないし 話もよくできないようだった
それが 人が変わったように生き生きと こんな風だったと 息子に喋り続けている
息子は タジタジとしながら M代さんに言っている
「 お母さん そんなに話せなかったよね
どうして 話せるようになったの? 」
眠っていた感覚が 地震の恐怖によって 呼び覚まされ
すっかり 元気だった頃のM代さんに 戻ったかのようだった
地震の こんなエピソードが ありました