学校から帰ると
幾つもの箱を前にした お母さんの背中が見えた
「 何してるの~? 」と 覗き込む
「 もうすぐ ひな祭りだからね・・・ 」
テキパキと動くお母さんの手から
魔法のように 次々と 雛人形や小さなお道具が現れてくる
飾り付けが出来あがると
家の中には 華やかな雰囲気が溢れた
ちょっと 晴れがましい気持ち・・・
外で遊んでいた小さな弟が ドタバタと駆け込んできた
「 あっ! お菓子~ 」と 供えられていた雛あられに 手を伸ばそうとする
「 ダメッ 」と 私は大声をあげる
「 もうすぐ ひな祭りだから それまで我慢しようね 」
お母さんの 優しい声
*** 舞岡公園(横浜市)の 古民家で ***