電車の座席に座っていると
隣りから 私の腕を ギュッと握ってくるものがある
ちょっと 力を抜いたか・・ と思うと
また ギュッと握ってくる
それは お母さんに抱っこされた 赤ちゃんの足
気がついたお母さんが
「 すみません 」と 足を自分の方へ引き寄せる
「 気にしないで 握手されてるみたいで気持ちいいもの 」 と 私
赤ちゃんの足は柔らかく
まるで手のように 私の腕に触れ 掴まろうとする
確かに・・・
私は確信する
人間は 昔 樹上生活をしていた哺乳類だ
駅に着いた
私は 赤ちゃんの手に(足ではなく)握手して 立ち上がった
「 さようなら 気をつけてね 」