先週の金曜日(9日)、「聖の青春」を見て帰ってきたら、<携帯>が無い。
その日私は出掛ける前に、携帯をマナーモードにしてバッグ(リュック)に入れた。
そして、外では携帯を出さなかった。
なのに、家に帰ってバッグから取り出してメールを打とうと思ったら、無いのだ。
最近私は、いろんなことを間違って思い込んでいることが多い。
そこで、バッグに入れて外出したというのも、私の間違った思い込みかも知れない。
だったら、この狭い家のどこかにあるかもと思って、家の電話から携帯にかけてみた。
耳元で普通に呼び出し音が鳴って、留守録の案内も流れたけれど、どこからも携帯の呼び出し音は聞こえてこない。
(マナーモードにしたという私の記憶が確かであれば、たとえ家の中にあったとしても、音が聞こえないのは当然だが。)
まあそのうちに出てくるか、といつもの問題先送りでその晩は眠ったが、夜中に目覚めてやっぱり気になりだした。
そこで、家にあるとしたらココかも…と思えるところを、アチコチ探し回った。
しかし、やっぱり何処にも無い。
そして翌朝、遅まきながら、携帯と携帯に入っているデータが悪用されないように、auに電話してロックを掛けてもらった。
ロックを掛けてもらったことと、auの方の話では、今までに悪用されている形跡はないとのことで、私はホッとした。
私が今使っている携帯は2つ目だが、ずい分長いこと使っている。 なので、ずい分骨董品だ。
そろそろスマホに換えようかという思いもあったので、見つからなければそれでも仕方ないかと、日々をやり過ごしていた。
そして1週間経った一昨日(14日)、いくらなんでも携帯の無い生活が不自由になって、梅田のau販売店にスマホを買いに行くこと
にした。
しかし、au販売店に行く前に、まあダメモトで曽根崎警察にでも寄ってみるかと思い始めた。
万が一、どこかの警察に届いている可能性が全く無いわけでもないし‥。
ところがダメモトで行った曽根崎警察署で、予想外なことが起こった。
私の携帯が届けられていて、今は「西警察署」で保管されているというのだ。
ということは、私は絶対にあり得ないと思っていたけれど、携帯がどこかで私のバッグから滑り落ちたということになる。
ここでも私は、思い込みの怖さを思い知った。
とにもかくにも携帯が見つかって私は嬉しかったが、「なんで、西警察署なん?」と思った。
携帯を拾ってくれた方は、東梅田の駅に届けられたのだが、どういう訳か、それが西警察に回っているのだそうだ。
なら今から西警察まで取りに行かなあかんなあ‥。
ズボラな私は、今までに行ったことのない西警察に行くのが、ちょっと邪魔くさかった。
すんでのことでタクシーで行きそうになったが、そこはグッとこらえて、地下鉄を乗り継いで行くことに腹を決めた。
地下鉄で本町まで行き、そこで中央線に乗り換えて阿波座まで行った。
警察の方の話では、西警察署は阿波座から歩いて10分のところにあるそうだ。
私は教えられたとおりの道を歩き、水があまり綺麗ではない木津川を渡った。
木津川そのものは普通の都会の川で何ということはなかったが、川を渡る橋の両側に、変わった実をつけた木があったので、
写真に撮っておいた。
木津川を渡ると、なんか懐かしい名まえの「みなと通」に出た。 (私は以前、港区で働いていたことがある。)
<みなと通>を右にしばらく歩くと、西警察があると聞いていた。
みなと通の銀杏もだいぶ葉を落とし、中には裸木になっているのもある。
高村光太郎の「冬が来た」の中に、「銀杏の木も箒になった」という一節があったなあ‥と、その裸木を見て思ったりした。
歩道に並んで置かれている自転車の下は、銀杏の落ち葉でいっぱいだった。
余談になるが、前出の「冬が来た」の後半に、「冬よ、僕に来い!僕に来い! 僕は冬の力、冬は僕の餌食だ。」というのがある。
(文字の表記には自信がないけれど‥)
若い頃私は「そのとおり!」と思っていて、冬に立ち向かう気力も満々だったが、今ではその気力のカケラもないことを、しみじみ
思ったりした。
そうこうしている内に、西警察署の建物が見えてきた。
そして私は、警察署の「落し物コーナー」で、無事携帯を受け取った。
こうして私の携帯は、1週間ぶりに私の手元に戻ってきたのでした。
私がその気になれば、もっと早く携帯を返してもらうこともできたのに、ホッタラカシにしてしまって、ごめんね!
せっかく返ってきた携帯なので、もうしばらく使わせてもらうことにして、私のスマホデビューはもう少し後になりそうです。