箕面の滝の流れ落ちる水の勢いに力を貰い、帰途についた。
今度は滝道を下るのだから、行きよりだいぶ楽だ。
下りながら、目に付く景色にはやっぱりカメラを向ける。
薄ぼんやりした赤やオレンジ色が点在する山を眺めながら歩いていると、提灯が点いたお店の前に来た。
更に歩いて行くと、行きに気付かなかった無惨な光景を目にした。
一昨年の台風で倒れた木々が、未だに谷に放置されているのだ。
あの時の台風(21号)は、本当に凄かった。
私もあの時ばかりは、マンションの周りで鳴る今まで聞いたことのない無気味な轟音に、強い恐怖を感じた。
窓がガタガタと鳴り、今にも外れてしまうのではないかと、切迫した気持ちにもなった。
それが、1時間以上続いた。
その恐怖は、阪神大震災や大阪北部地震のときよりもずっと強く、切迫感があった。
幸い私のところは具体的な被害を免れたが、箕面一帯にも大きな被害が出た。
滝道も、崖崩れや倒木で、長い間通行不能だった。
やっと歩けるようになった今でも、その時の爪痕がこのような形で残っているのだ。
私は胸の痛む思いを噛み締めながらも、道を下って行くしかなかった。
この谷の情景を除けば、箕面の山や木々は、行きと同じように、美しかった。
その美しい姿を見ると、私はやっぱり写真を撮った。
(行きに撮った写真と重ならないようにするつもりですが、もし同じような写真があったらごめんなさい!)
逆光の中の箕面の山々
紅葉の上の曲がりくねった緑の枝が面白くて撮った。