先日私がお腹の調子を崩して、ご近所の5人で行く予定をしていた所に、行けなくなったことがあった。
私はお世話くださっているKさんに事情を話してお断りしたのだが、その用を済まして帰られたHさんから、早速お見舞いの
メールが届いた。
そればかりでなく、しばらくして(もう外は暗くなっていた)玄関チャイムが鳴り、出てみると、そこにHさんが立っておられた。
できるだけお腹の調子が良くなるように(恥ずかしながら私のお腹の不調は、便秘に依るものだった)、“おぜんざい”を炊い
たからと、それにお餅とお漬物を添えて持って来てくださったのだ。
Hさんは、私が仕事を辞めて、中津の住人として暮らし始めてから知り合った方。
私より11歳も年上なのに、毎日6人の家族の食事を作られ、しかもそれを苦にするふうは微塵もなく、却って若い人から
エネルギーを貰っていると(6人の中には2人のひ孫ちゃんがおられる)、言われる。
それも大仰な感じではなく、当たり前のように、ごく自然に。
そんな彼女だから、常日頃からいろんな人や事にも、優しい目配りを欠かされない。(それも又、ごくごく自然に)
私はそんな彼女を、「師匠」と言って尊敬しているのだが、もちろん彼女の足元にも及ばないことは、重々承知している。
彼女から、お手製のおぜんざいを受け取ったとき、私は大袈裟でなく、涙がチョチョ切れそうだった。
人がその時必要としているモノを、ごく当たり前のように与えてくださる、その優しさ。
(彼女のお家と私のマンションは、7,8分は離れているのに。)
これは、並大抵の人ができることではない、と思う。
私は、おぜんざいを温め、お漬物を切って(お漬物はキュウリと山芋だったが、山芋はお腹の働きを良くするのだそう
だ。)、Hさんの優しさをかみしめながら、心から感謝していただいた。
おぜんざいを温めている時電話が入ってきて、煮すぎたために、せっかくのおぜんざいの姿がちょっと悪くなった。