Pieces of My Life♪ ニューヨーク近郊の暮らし

子育て専業主婦から脱出!ニューヨークで医療従事者しながらコロンビア大学大学院在籍。ニューヨークのお弁当も頻繁に更新中。

ギフテッド学校見学の様子

2012-04-24 | NYの育児・教育事情

息子が「見たい!行きたい!」というので学校を休ませて連れて行ったCitywideギフテッドの昼間の学校見学.こんなに長々とオディトーリアムで話が続くだなんて思っていなかったようで(どこに行っても,くだらない質問をして時間を無駄にする保護者がいるものです…),教会のミサに慣れている息子でも最後はちょっと愚図りました.息子自身,同じ年の子がもっと来ると思い込んでいたようで(私達の行った日は,他女の子1人).おまけに暑い日だった上に保護者の熱気もムンムンなのにエアコンが入っていなかったので,もう暑くて暑くて…(汗).

学校内を見学しているとき,綺麗で優しそうなキンダー(年長)の先生が息子を気遣って「君は来年からこの学校に来るのかな?楽しみね?」と話し掛けてくれたのに,「僕この学校嫌い!暑いのにエアーコンディショナーも付けないし,話ばっかりで,こんな学校は嫌だ!ここには絶対来たくない!」と言って,アッカンベーまでしたのです(驚)!

も~う,なんちゅうヤツだ…(怒).他の保護者は皆,「こんな子がここ希望なのか?!」って不審な目で見てたよ….

そんなこんなな学校見学ではあったのですが,私としては不安に感じていたことが明確になり,一般校とのプログラムの違いなどがよく分かって,参加できて良かったと思います.どの学校が一番良かったとか,この学校のここはちょっと…という個人的な気持ちはここでは控えますが,とても内容の気に入った学校もあります.

以下,私の書くのはCitywideの学校に見学に行った様子と私の感じたことであって,他のギフテッドプログラムとは異なる場合もあるでしょうし,感じることが違う場合もあると思いますのでご了承ください.

学校によっては中国系とインド系ばかりで溢れかえっているところもあって驚いたり,在校生の半分が医者の子供だということでまた驚いたり.若くて綺麗で優しそうな教師(それでいて優秀)ばかり揃えている学校もあって(旦那が嬉しそうに驚いていました),こんな綺麗なお姉さん先生だったら,それだけで子供の勉強意欲もUPするだろうな…と思うような学校もありました.

学校の授業内容は全ての科目において常に1学年上を進む流れで,生徒一人ひとりの特徴と各教科の把握レベルを掴み各生徒に合った指導をしているのが印象的でした.「1学年上」を進むってどういうこと?かっ飛ばして,猛スピードで教えるのか?と思っていた私ですが,違いました.例えばキンダー(年長)であれば,魚や虫の名前を覚えるくらいが普通に習うレベルでしょうか?ギフテッドの学校は虫や魚の体の部位の名前と,卵から成長していく過程も学びます.となると,必然的に2~3年生の理科を学んでいるということになるわけです.なので同時間に詰め込む知識量は多いと思いますが,好奇心の旺盛な子にとっては興味をそそるんでしょうね.

子供たちの作品などをいろいろと展示しているのですが,それは一般校(現在息子の通う学校)とあまり変わらない内容だと思ったので特別な興味は沸きませんでした(オープンハウスに供えてプレゼンテーションしている感もあったし).でもどの学校の教師陣にも感じたことは,生徒一人ひとりに対する思いや接し方,教える熱意,忍耐力,伝える巧みな技などはヒシヒシと感じられ,それは一般校とは違うかもしれないと思いました.教師と生徒の間に一線置いたような距離間が全く感じられないんですよね.

正直,ギフテッドの子に限らず,勉強嫌い・学校嫌いな子こそ,こういう先生が担任だったら伸びるだろうな…と思うほど.担任の先生が,自分の各教科の理解力,分からなければ教え方を他生徒とは変え,個人的に指導してくれるんですよ.おまけに頑固な性格や融通の利かないところ,科目に寄っては物分りの悪いドン臭いところ,頑張った努力など,全てを受け入れてくれるだなんて,これだけ自分という存在を,下手すれば親よりも理解し注目してくれているだなんて,子供にとってこんなに嬉しいことはないだろうな…と思いました.ある意味「特殊学級」みたいなもんですから.

ギフテッドスクール(英才教育の学校)と言うと,私の古い考えからは,スパルタ教育で厳しくビシバシ勉強させ,先生も校内もピリピリした感じなのだろうって,軍事教育の日本とか(えっ?戦争中?!),日本のスパルタ進学学習塾を思い込んでいましたが,ぜ~~~~んぜん違うんですねぇ.子供たち,みんな楽しそうに伸び伸び学んでいて,自分達のやってみたいいろんなことに挑戦させてもらえる環境は素晴らしいと思いました.

正直,うちの息子みたいなのが紛れ込んだとしても,厳しさに付いていけないんじゃないか?という不安がありましたが,それは大丈夫だな…と感じるほど,学校内の雰囲気というかオーラっていうんでしょうか?が明るく,「ワクワク感」で満たされていました(ちょっと疲れてる感じの子もいたにはいたけど,もう1日の終わり頃だったからね).

宿題は噂通り沢山あるようで,平均1日1時間半~2時間.とある学校では月曜日に1週間分の宿題をドド~ン出すらしく,その宿題も「①必須 ②選択 ③ボーナス(ちょっと名前はうろ覚え)」と3種類に分類されているものを一纏めで渡され,①の必須は必ずやり遂げること.②は3つチョイスがあるなかから自分の好きなものを選択してやり遂げること.③は時間があったり,もっと頑張ってみる気がある子はやってみること.という宿題を小学1年生から行うそうです.これは私的に興味深い方法だなと思いました.毎日毎日与えられた課題だけをこなすよりも自主性が身に尽くし.習い事のある日は宿題は控えめに,ない日はできるだけこなすという宿題プランを自分で立てさせる方法に慣れていれば,高校や大学に入ってからウンと勉強がラクだろうなと思います.人生プランやマネープランも身に付くようになるかもしれないしね.

あと,とある学校では「家庭では最低でも子供部屋というか,勉強のできるスペースをきちんと各子供に与えてやってください」と言われていて,それを聞いて溜息を漏らす保護者もいるほどでした.一般家庭の場合,マンハッタンの通学に便利な場所に住んでいても部屋のスペースがネックになるし,近郊で子供部屋は確保できても通学がネックになるし,難しい問題です.

ある学校で言われていたことなのですが,「我が校は素晴らしい学校だと思っています.でも,○○(学校名)はブランド名ではありませんから,飛びつくようなことはせず,よく考えてください.遠方から朝6時に家を出て(交通ラッシュを回避するため),夕方5時過ぎに帰宅している生徒もいます.通学に往復2時間以上かけて毎日通ってくる生徒もいます(親は1日4時間を送迎に費やしている).それだけの思いで我が校に通ってくれることは嬉しく思います.だけど,家族との談話のときや,一緒に過ごせる時間を犠牲にしてまでは選んで欲しくはないのです.学校選びも子供の将来には大切ですが,子供の未来に学校教育と家庭の質は密接に繋がっています.家族の繋がりは大事なのです.今までの生活の質や兄弟姉妹との触れ合うときを犠牲にして学校を選べば,後々後悔することになりますから,どうぞしっかり話し合って決めてください.今の感情で決めず,これからの9年間,あなたが病気になったときも,大雪の日も,他のお子さんに何かあったときも,保護者として変わらず関わっていけるかどうかよく想像してください.」と言われました.自分の学校を売り込むだけじゃなくて,本当に核の部分を話されていて,この学校は信頼できる学校だと思いました.まあ,ここが私の一番気に入った学校なんですけどね.

ウチの息子が通う通わないに関わらず,NYにはなんて素敵な学校があるんだろうと嬉しく思ったのが正直な気持ちです.

さて入学の件ですが,公には示されていないのですが,オープンハウスの際に説明のあったことなのでここで記しておきます.毎年のことなので,今後のご参考になればと思います.ギフテッドプログラムに興味のある方ならご存知の通り,このプログラムへの入学は試験のスコアと,その後の抽選で決まります.なので,スコアが良ければ必ず入学できるものではなく,運もあるのです.

Citywideのギフテッド校はスコア97パーセンタイル以上が申請対象ということになっていますが,実際の入学できる最低スコアは99(兄弟姉妹の誰かが在校中の場合は97でも優先されます).99パーセンタイルをとった子で第1志望に学校名を書いた者を優先的に選び抽選を行います.その後99で第2希望に書いた者からの抽選という,そういう仕方をNYのDOE(教育省)は行うので,ご理解くださいということでした.

先日新聞にも載っていましたが,年々99パーセンタイル値のスコアを取る子は増えており(ギフテッドテスト対応の塾もあるくらいですから),噂どおり今年はテスト内容を少し変えていたようです.しかしそれでもNY市のCitywideギフテッド全5校のうちキンダー枠約370席に対し,スコア99の子が1000人はいるため,Citywideのギフテッドは99取った子だけの抽選になり,もちろんそれでも抽選から外れる子が半分以上はいるということでした.

Citywideを狙っている場合,じゃあ来年また挑戦したらいいじゃないか?と思いたいところですが,それより上の学年は,キンダーに入学した子がそのまま持ち上がっていくので欠員が出ない限り空きがなく,幾つかの学校で「1~3年生(だったかな?)は空き無しです」と既に話されていました.

そんなこんなでNYのギフテッドスクール見学の個人的な感想と,ちょっとした情報でした.

また思い出すことがあったらそのとき書きます.

クリックしていただけると励みになります

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする