
広尾駅鉄道記念館の展示内容です。國鐵は親方日の丸なので、経営方法を見直さず赤字が膨らんでいく一方。さすがにそのままでは経営破たんになるかも知れないと、採算のない路線は廃線にしようと昭和55(1980)年に國鐵再建法成立。

廃止対象路線に広尾線が含まれており、沿線7市町村が「広尾線を守る会」が結成。住民の足を守るためにバス転換か第三セクターで鉄路をそのまま残すか検討されたが、第三セクター化は見送られ、代替バスが決定されました。様似から広尾の鉄路未完路線は國鐵バス(現在はJR北海道バス)、広尾から帯広までは十勝バスが継承。

展示のため、長年も光にさらされると一部はシミや色あせが出てしまったようです。広尾線最終営業日の幸福郵便局と愛国郵便局の記念押印。

最終日の日付があらかじめ印刷された、記念入場券。

最後まで使われていたグッズを展示。

広尾駅の改札鋏は・・・

でした。あんまり好きではない鋏痕。改札鋏の手前にあるものは、途中下車印。広尾は終着駅なので、途中下車印の用意はないはず。たぶん、他の駅から持ってきたと思われる。

駅員さんの制帽や制服のボタンは蒸気機関車の動輪をかたどったものです。JRに変わっても継承しているところは・・・JR東海、JR西日本、JR九州の3社かな。

タッチングマシーンと言います。大昔の硬い切符に日付を入れるのに、左から右へスライド。今でも使われているところは、JRでは滅多にないでしょう。ローカル民鉄なら一部はありそうです。どこも製造されていないので、かなりお宝なものになります。

稚内から枕崎まで全国統一のシンプルな國鐵制服。今のJRに比べると派手さもなく、地味な感じです。昭和30年代で止まっている小湊鐡道を観察してみると、このタイプに似ていてどうも國鐵っぽい雰囲気。車掌さんは積極的に若い女性を採用しているのに、古めかしい女性事務服に現金の出し入れに使う「国鉄仕様ショルダーがま口」を着せられては勿体ない。