(読売新聞 北海道音威子府(おといねっぷ)村のJR宗谷線・音威子府駅構内にあり、昨年閉店したそば店「常盤(ときわ)軒」の復活営業が20日行われた。人口675人の小さな村にありながら、全国的に知られた人気店。村内唯一のそばの製造元も今月末で製造を終了する予定で、最後の味を楽しもうと駅には多くの客が集まった。
常盤軒は1933年頃に創業。色が黒く、香りの強い「音威子府そば」と濃いつゆが特徴で、「最北の駅そば」として全国的に知られた。だが、2020年初めに新型コロナウイルスの影響で休業し、同年秋には3代目店主の西野守さんが体調を崩し入院。西野さんは翌21年2月に84歳で亡くなり、店は80年以上の歴史に幕を下ろした。
根強いファンとお別れができないままの閉店となったこともあり、村観光協会が最後の営業を模索していた。今年に入り、音威子府そばを製造する「畠山製麺」も、高齢化のため今月末で製造終了することが判明。西野さんの長女・美佳さん(51)の協力を得て、今回の復活営業が決まった。
この日は、かつて帰省時に店の手伝いをしていたという美佳さんと観光協会の職員が厨房(ちゅうぼう)に立ち、167食を提供した。鉄道ファンだという東京都大田区、会社員男性(29)は「10年ほど前に普通列車の旅をしているときに食べて、濃いめのつゆがおいしかった思い出がある。食べ納めができてうれしい反面、最後と考えると悲しい」と話していた。
復活営業は21日も午前10時から行われる。
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音威子府駅そばは2018(平成30)年5月、枕崎から稚内までのジグザグきっぷ旅で一度立ち寄ったことがあり、一杯はいただきました。今でのあの音威子府のそばは美味しかったと忘れられない味だったんですが、復活営業して、残念ながらこれで最後となるそうです。
音威子府駅そばの記事は こちら。