かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

お嬢様事務員と大人の玩具

2007-09-27 | 事例
「困った。娘が俺の仕事を手伝うといって居るんだ。」
Fは本当に困った様子でもあり、一面嬉しそうでも有ります。

F工業はシリコン・ゴムなどでハイテク産業です。従業員は5名。
ベテラン小母さん事務員が事務所を切り回し、工場のがその受注や
納品を受け持っています。

小母さんが家庭の事情で急に辞めることになったのです。
Fは娘の前で愚痴りました。娘は急に自分がやると言い出しのです。

町工場の娘に関わらず、娘はお嬢さん学校のS女学院を出ています。
此れが又Fの自慢の種です。折さえあれば さりげなく得意先に
洩らしています。得意先で「S女学院のお父様」と言うところも
あるくらいです。

卒業して保険会社に入り、3ヶ月で辞めました。勝気のために
人間関係が上手く行かなかった様子です。それから2-3の会社に
勤めましたが何れも長く続かず今は小さな家で家事見習いです。
男も出来ず、一時はそれなりきの雰囲気がありましたが、
其れも壊れて今は全くの一人です。

そんな娘が何より可愛く、Fは得意先との雑談でも
娘のことを良く話題にします。

Fが困って居るのは自分の商品です。
ハイテク産業と娘も信じていますが、実は2割近く大人の
玩具が占めています。よからぬ知人に薦められて、試みに一つを
出したが評判を呼びました。シリコンやゴムの使い方は年季は
入っております。大企業相手ですから納期や品質には間違いありません。
其れが買われたのでしょう。今は3型3色です。やりようによれば
もっと伸びます。しかしFにはそんなこと死んでも娘に言えません。

結局娘は手伝い始めました。
Fは娘を制止など出来ません。一方娘が近くに居ることが
何より嬉しいのです。事務所と現場は違う、商品を娘に
見せなければ良い。たまに娘が工場に行っても、あれを
作っているとき、梱包の場所さえ行かさなければ解からない、
Fはこう思っていました。事務の仕事は、受注・現場との
やり取り他全て商品名だからです。商品名だけでは恐らく娘にわかりません。

娘は何も知らず大声で伝えています。
「ディルド紫。4,5の16、3ダースね。明日まで届くように。」

以前から腸の具合が悪かったですが、Fは入院することになりました。
最近本業の業績が悪くなりだしたのです。競争相手が頑張り
だしたらしいです。その影響を受けて資金繰りも悪くなりました。
今のままでしたら、遅からず行き詰ります。そんな心配が尚Fを
悪くしたのです。

Fは病院のベッドで娘に漏らしました。
「このままでは資金が続かなくなる。銀行に行ってリスケを
お願いしようと思って居た処だったが。」
「リスケって何?」

娘は一人で直ちに銀行に行きました。
「貴方がS女学院に行っていたFさん?」行員の言葉に
びっくりしました。まさか銀行で娘の出身校まで知っているとは
思っても居ませんでした。会社の現況を質問もされまれました。
解からないところは会社に帰って出直しです。
そんな態度が好感を持って見られたらしいです。

娘は、リスケのお願いは成功したとFに報告をします。
「お前がやってくれれば、たとい失敗して会社が潰れても良い。
其れが成功だったから言うことはないよ。」
びっくりしたFはさらに此処で一計を考えました。
「俺が入院すれば営業なんて誰もやらなくなる。
次第に会社は右肩下がりさ。こまめに連絡とって居れば、
注文も減らないと思うがな。」
つぶやいただけで動く娘と読んでいます。

次の日から娘は暇さえあれば得意先に電話をしました。
Fの娘と自己紹介の後、父が暫くお邪魔出来ないが何か御用は
有りませんかと云う電話です。娘の噂は、得意先の大手ハイテクの
連中も聞いております。しかも大人の玩具をやって居ることも
知っています。サンプルを貰った人も少なく有りません。
その自慢のS女学院での才媛です。忙しくても興味を持って
聞いて呉れます。中にはわざわざ注文を作ってくれる人も居ます。

中には色眼鏡で見た人も居たかも知れませんが、娘は全くのおぼこ、
かまととぶって居ると思われるくらいです。しかしそのおかげで
F工業の業績が又右肩上がりになったのは確かなことです。

Fの症状は心配したほどではありませんでした。悪性の物でしたが
早期のために大したことなく、4ヶ月くらいの静養で出社しました。
娘の態度は4ヶ月で驚くほど、ベテランを感じさせます。
しかし大人の玩具のことは一言も出ません。

しかしFには何となく娘が扱い商品を知って居るような
気がしてなりません。行員に聞くと夜一人でも頑張って
いたらしいですから、その間に覚えたのでしょうか。
聞くことも出来ず気を揉んで居ます。

そんなFに娘の声が入ります。
「ピンクの13,5と3.5のディルとね。解かりました。何、両頭、
両党ですか。家では間がやっていません。近くに計画します。」

どうやら今は大人の玩具の商品も知っているみたいです。
急に多く居なって居る電話。其処からは未だ男の
出来た気配は感じません。 





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