かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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会社の危機に、手を打たなかった人

2010-01-31 | 事例
工場が競売になりました。
其の上、機械も5台、引き上げられたのに義父はまだ平然としていました。
仕事は勿論続ける積もりです。こんな調子で今までも過ぎて来ました。
銀行もリースも税務署も押しかけてきたのに、父は平然として相手にもしませんでした。
売掛金は差押えられ、工場は競売になり、リース物件は引き上げられました。
其れでも仕事は続けえ居ります。しかし今回のサービサーが取ってきた回収手段、
義父はどうやって切り抜けるのでしょうか。

県北部は大手企業の城下町です。本家から独立した子会社が、
近くの町の支配者になって居ります。
うちはそんな会社の一社と取引も長く、信頼もされていました。
私たちは親しみをこめて親会社といって居ります。
鉄板加工が仕事です。材料は支給されて居ります。
社員6名、パート6名、その他一族5名でやっていましたが不景気には負けました。

仕事はどんどん減ってきます。当然社員も遊びが多くなりますが、
義父は其れに対して何もしません。
従業員に指示して居ります。
「仕事が無いならば親会社からスクラップを貰ってきて、
 それで何かリサイクルを考えなさい。」
これが最近義父が出した唯一の目新しい方針でした。
無料で引き上げたくず鉄板は庭に山になって居ます。片付けだけでも大変です。
おまけに親会社は無料のボランティアと思って、少し溜まると電話を呉れます。
全く無駄以上のことをやってくれました。

古い人間なのか義父は、雇った人間の解雇など出来なかったでしょう。
自分は日々の売上だけを知り、入金は全てを自分の懐に入れて必要資金だけを
出す方法です。手形はありません。真っ先に納税や返済が滞りました。
ついで給料が満足に払えません。銀行や税務署、その他のところも社長に、
1度会いたいと押しかけてきても、顔すら見せません。
居留守も何回も度重なれば出来ません。
夫や私もおろおろするばかり。

其れでも田舎のこと。他に働く場所も無いために従業員は辞めません。
その給料も随分少なくなって、特に私たち夫婦にはきつかったです。
そればかりでなく、二人で300万ほど、カードで造らされて居ります。

こんな事でしたから債権者の動きも早かったです。
先ずは税金です。売掛金は90%まで親会社ですから差押えるほうも簡単です。
其の月は、全員給料は貰えません。
ただし、これで本税の650万の滞納は一応はなくなりました。
延滞税はまだ本税と同じ位残って居ります。

それを知ってかどうか、今度は銀行です。担保の工場の競売です。
こんな鄙びた工場の不動産、買う人など居ないだろうと思って居ましたが、
案に相違して競落してしまいました。
丁度其の頃、リースで買った工作機械、古くからあった機械を担保にして居ります。
プレス機・コンプレッサー・搭載用ドライやーなど5台が姿を消しました。

誰もが、これでもう1巻の終わりと思って居ましたが義父は慌てません。
親会社から、売掛金差押さえの顛末について書類を書かされて、厳重注意だけで
取引は続行できる状態でした。
勿論親会社は競売や機械引き上げは知りません。

「義父の自宅で仕事を続ける」と言い出したのです。
自宅は3年前に他界した義父の父親の名義、だから今回差押さえも無かったと思います。
最初の工場でした。中古の機械が納屋に寝て居ます。

義父の父親が無くなった時は、連れあいも他界して居りました。
相続人は義父と義父の弟ですが、弟も亡くなり、其の子供二人が相続人です。
其の二人はうちの工場で働いて居ます。義父は此処ならば差押さえは絶対に
ないと信じて居ります。其れに此処で使う中古の機械など、金を出しても
引き上げるところもないでしょう。
安心して仕事が出来る楽園です。

従業員も工場が競売になれば殆ど止める。身内だけでやって行けば、
まだ何とかやれると思っていたと想います。
しかし、田舎で増してや年寄りの働き口が無い所、半分は残りました。
義父は引導を渡す事はできません。

しかしそれより飛んでもないことが起こりました。
夫の自宅が差押えられて競売になりそうです。
絶対に大丈夫と信じていた自宅がです。

相続で不動産の名義変更をしない場合は債権者は裁判所に言って、
法定相続分の差押さえが出来るらしいです。
法的な相続放棄手続きもせずに、私は相続しませんと言っても、
それを認めさせることは大変です。ましてや義父はずうっと其処に住んで居りますし、
他の相続人に借りて居るという賃料も払っていませんから、むしろ全部を相続したと
見なされるらしいです。争っても勝ち味は薄いとの事です。

勿論義父は裁判に出席などしませんし、弁護士も依頼して居りません。
もう直ぐ判決です。
すると直ぐに競売でしょう。

今度こそ完全に工場の継続は出来ません。
義父は相変わらず無言です。





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