かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

再生が成功した理由

2014-07-02 | 事例
「昨年1年間は営業活動を一切やっていません。今までの蓄えの他に、微々たる自然注文だけでした。
 でも一人も社員を解雇するでなく、やって来ました。
 それで今になってお金が無い事に気が付いたのです。
 
 気が付いてみれば入金の目安は今月1000万有るだけでその他収入は御座いません。
 それで、今後どうすれば、会社は存続で来ますか。絶対に会社は倒産させたくありません。」
彼が相談を持ち込んだのは、3年前でした。

「1年間遊んで過ごした? そんな会社が今頃ある筈はない。」
とGが力んでも本当らしいです。
日繰り表は細かく作っています。之が先月で終わり。今月からは作れません。
作りかけていますが、残高は毎日赤字です。

「倒産会社よりひどいよ。
 これで存続が出来る訳がないじゃあないか。」
でも彼は何とかしてくださいと諦めません。
昨年遊んで居たと云う態度では有りません。

「じゃあ。1ヶ月延命を考えよう。来月から知らないよ。」

こうして始まったのは、支払いや返済はしない。支手は頼みこんで相手の金で買い戻しをして
貰うという無茶な考えです。其れも一寸狂うと倒産です。

しかし無謀ともいえる此の考えが1ヶ月目は成功したのです。社員も一人も辞めずに協力してくれました。
銀行はいろいろ云いましたが一方的に払いません。3ヶ月は待って呉れると読んでいます。

僅かな入金がありましたが、払わないと、すぐに止まる電気・ガスに回し、後は生活経費です。

1ヶ月目はそれで何とか解決しました。が、2ヶ月目は最高に辛かったです。
売り上げは復活して居りません。
幸、支手はぐんと減っています。
どうしても必用ののために、ついにビジネスローンに目を向けました。
どこも簡単に貸してくれません。個人の最高額、詰り一軒50万が背一杯です。
其れも2-3店は貸してくれましたが、情報が回るのか、後は相手にもしてくれません。
ビジネスローンやサラ金も簡単じゃあないと思い知ったのです。

友人も回りました。口では頼りになりますが、其処までです。実際に財布の紐は解いてくれません。

此の時、ある大きな注文ガ入ったのには助かりました。前金がもらえるからです。
一番苦労したのは此の2ヶ月目でした。

今回は影響が有りました。
先ず社員が半分になりました。彼らが要求する遅配給料や諸手当は何時払えるか検討も
付きません。

尚社員は更に半年後は5名になっています。

こうした事を繰りかえし、1年ほど過ぎました。会社の内容は変っていません。

あるとき、偶然に彼は、県の中小企業振興部は主催になって海外で技術ショーを開く事を
知ったのです。
これに応募し、全てを県の費用で出品させて貰いました。
それが.此のショウの一番の売れっ子になったのです。
彼のところは、生産ベルトの自動化の設計と製作です。後進国にはお誂え向きでした。
面目を施した県は、これによって彼の所を重要視し、県の 再生中小企業に指名したのです。
何をするのも県のお墨付きが貰え、信用度がぐんと増しました。

ショーや県の後ろ立てで、営業は伸びましたが資金が伴いません。相変わらずの資金繰りです。
しかし此のときになって漸く銀行が2400万の融資を約束してくれました。これがあれば、
1気に資金繰りは解決します。
期待は大きく、此の資金を中心に仕事は回り始めました。
所が寸前になって銀行は断ってきたのです。

理由は銀行はこの時彼の自宅を担保に要求してきたのです。
彼の自宅は義母のものです。其れを説得しろと云うことです。
勿論義母は承知する筈ガなく、断ったら融資も断られました。

今度は以前と同じように徹底して払わないと云う手は使えません。
その時、以前に県で聞いたことを思い出しました。
財務省の出先が有るが、あれは県下の銀行を管理監督して居るらしいという噂です。
其処に直訴をしたのです。

「国が決めた再生中小企業との約束を破るとは」此の1発で県は融資をしてくれたのです。

体重は10k減りましたが、5名まで下がった社員は又15名まで戻っています。
今は確実に4ヶ月先まで資金は読めます。

こうまで復活したのは、異常とも言える彼の会社に対する執着心。
其れに会社の技術力、運よく結びついた、県の中小企業振興部、其れと財務省は立ち直らせた直接の原因です。
何れも彼の執着心が呼び込んだものでしょう。


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7月1日(火)のつぶやき

2014-07-02 | 事例


先週からの相談者。代位弁済を覚悟した人が居る。プロパー借り入れを返さないと決めた人が居る。
寂しいのはこうして今の事業を復活させようじゃあないか、と云う生きの良い再生案が出ない事だ。
此の傾向は段々ひどくなっていく気がする。債務整理だけで事業に未練はないのかと怒鳴りたくなる。