かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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背徳の考え

2014-07-21 | 事例
1年を8月のひと月で過ごしていると云っても過言では有りません。
海辺の市の海水浴場の真前にある宿泊専門の温泉ホテルです。
従業員はとっくに止めさせ、家族4名の運営です。忙しい事だけ賄いの小母さんを呼んでいます。

借り入れが保証協会に1億6000万、その他にもこまごまして借金が多く、
商売を続ける以上払っていかないとなりません。
どんなに節約しても月に400万の経費が掛かります。
其れに対して稼ぎは300万から400万です。
私財は使い果たし、後は夏場の稼ぎを回しています。
7月が5-600万、月は1300-1500万、9月が4-500万がここ数年の通例です。

4-5軒有る業者払いも、満足に払えず、8月之を清算しています。
彼はこんな生活にうんざりして見切りをつけようと考えています。
8月で締めて払えるだけ払い、廃業するのが彼の密かな計画です。

「何とかして当座の生活費まで残さないと。干上がってしまうな。」
まだ集計は出来て居ませんが経費の借りは自分でも驚くほど膨らんでいますた。

「社長、本当に辞めるのですか。一旦止めれ以後はホテル業は続けられないでしょう。
 後の仕事が決まって居ませんから自分の生活だけは考え手下さい。
 其れに、8月の売上を全部支払いにまわすと考えていれば全額取られてしまいますよ。
 考えてください。」
「考えるってどうすれば良いんだ。
「どっち道保証協会には莫大な借金が残るでしょう。ですから借りたお金は此処ばかりでなく
 全て返済しない。
 業者の代金も払うのは止めましょうや。」
紹介で知り合ったGの薦めです。

「そんな事出来る筈が無いよ。第一何処でも乗り込んできて通帳や帳面を調べれれば1発だよ。」
彼はそうなると自分は刑事問題の罪人になると、震え上がっています。

「帳面など調べさせる必要は有りません。断ればよいです。
 其れを強制的に調べられるのは税務署と刑事問題の時の警察だけです。
 一般の債権者は推測だけで判断するしか有りません。
 ですから平気です。
 しかし、万一の事を考えて、手元のお金は直ちにどこか遠い銀行に移しましょう。

 当初はどこも騒ぎますよ。
 堪えてください、どうしても払わないと解かれば民事の支払い訴訟は起こす人が居るかも知れませんが、
 刑事問題の訴訟には先ずなりません。
 刑事問題は勝ったところで自分に恩恵が有るわけでなく、仮に無罪でしたら告発した自分に害も有ります。
 金融機関も刑事問題にはしませんよ。」
 
「件数は少ないが業者にはどう対応すれば良いの?」
「普通業者が多い時は任意整理と云って債権者会議を開くのが普通ですが其処までする必要もないでしょう。
 4-5軒ですから、社長、回って下さいよ。最初に理由も言わず先ず謝ってください。
 何を言われても口応えはしないで下さい。一通り回れば後は何とかなります。
 ついでに金融機関は最初の時だけ払えないと断っておきましょう。」

Gは「考えて決めて下さい。」と云って報酬も貰いません。
お金を貰ってこんなことを薦めては悪いみたいです。

例年のパターンは8月の稼ぎである程度払うと500万くらいが手元に残ります。
之を1年間取り崩して不足の分は借金にするのです。7月からしめてやれば1200万は手元に残りそうです。
2年間の生活費はでます。その間一家が立ち直りをしなけれなりませんが、その元金だけはできます。

こう考える事は悪い事でしょうか。
でも自分が生きて行くためには仕方無い考えでしょう。


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7月20日(日)のつぶやき

2014-07-21 | 事例


担保は銀行と保証協会で分けあって居ます。普段は謄本に出ません。
代位弁済が有って確定登記をすれば解かります。其の結果、競売になりやすいか、
或いは相当期間競売を逃れそうか判断が出来ます。
こんな説明では普通の中小企業主は殆ど理解できない。
代位弁済が良く理解されない一番のポイント。