かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

女性が男を扱う時。

2016-01-18 | 事例
社員は役員2名と年取った男性社員が1名の3名。パートが8名の零細企業。
プラスティックの整形では名も通っていたが、社長が健康上辞めることになった。

8年ほど前に会社が回らなくなり、自ら申し出て今は金融債権者は保証協会とサービサーだけである。
殆どの担保は処分されたが、本社は5名の地主から借りた土地に、建物だけが自前の会社。
それももう木造で45年を過ぎて、蒸気の配管など何時も壊れている。買い手もいないから、何とか創業はできる。

社長が一人張り切って回してきたが、後のやり手が居ない。
もう一人の役員は過去の栄光ばかりを口走っていて、人を引っ張っていく能力は0だ。

親せき縁者を探しても居ない。
その社長が目を付けたのが、パートの中の女性だ。50代になったばかりではあるが、
入社して纏め役の居ない工場で、すぐに纏め役になって居た。
電話は積極的に取るし、注文だったら、その手配もてきぱきしている。
役員就任は彼女はすぐにOK、今までのぐうたら役員を社長にして彼女を補佐役員にし、
安心したか、間もなく社長はこの世を去った。

この二人、仲が悪かった。今までパートで、自然の纏め役だった時は、何も言わなかった。
かえって重宝していた感がある。それが正式に役員になって、バリバリやりだすと嫉妬が
起こるのだろうか。有らあゆることにケチをつけるようになった。
しかし、反面、彼女が辞めたら困る。自分にはできない。いじめ方にも頭を使う。

彼女のやり方はすぐに社内だけでなく,外部にも彼女贔屓が多くなった。彼女も自信を強め
業績も変わってきた。しかし内部は目に見えてよくなったが、肝心の業績はどうしても
もう一歩増えない。注文だけはどうしても増えないからだ。

今の社長はかっては営業でに回っていた。が、その横柄な態度と納期などの約束を守らないために
すっかり得意先が離れたしまったのだ。でも今の時代、買う方もよいメーカーは無いはずだ。
かって、いろいろあった現社長でも、頭を低くして誠意をもって回ってくくれば、品質は優れているこの会社。
注文も出るだろう。何とか社長にそうさせたい。

悩んでいるその時、あるコンサルタントが言った。
「確かに、この会社の欠点は営業が弱いことだね。でもみんながその気になれば復活はできますよ。
 出来ないには、役員2名が仲が悪いからですよ。
 
 私に言わせれば、女性のあなた次第でできます。
 自分がやったことでも、男性の手柄にしてやれば、男なんてたちまち変わってきます。
 ガミガミ言っては駄目です。優しく煽ててごらんなさい。これ以上言わなくてもあなたには分かるでしょう。
 面白くないかも知れないが、人はそういうことは見抜いています。
 結局は貴方の為になります。」

考えたこともなかった。
人が驚くほど様変わりをした。
当初社長が一番驚いた。しかし社長も変わってきた。何より会社の雰囲気が変わってきた。
社長が何年ぶりか出張してとってきた注文が、何より工場の意気を上げた。

落ちこぼれのこの会社、何か延びていくような気がする。