かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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口約束

2016-04-28 | 雑感
保証協会から保証債務の元金残額、2200を請求された時、彼は怒り心頭だった。

と言うのはこの保証、債務者は彼の店子の一人、他にもう一人保証人が居る。
最終的の債権者の保証協会は彼のところだけを狙って来た。
企業は優良企業、かつ個人も不動産は十分に有ったからである。

「払わないと貴方の企業に貸した分も不良債権にして双方法的回収をいたします。」
この言葉に弱かった。1億の借金に対して、不動産を処分して、8000万を払ってのである。

「これで十分でしょう。後は債務者も保証人も居る事ですからそちらから回収してください。」
「法的には全額あなたから回収できますが、これだけ誠意を尽くして頂いただけに、
 あなた の気持ちは解ります。
 当方もそれで頑張ってみましょう。」

彼はこれで放棄をしてくれたと思った。金融機関との約束は書類にはしない。
口約束だけが普通だった。そこで十分と思った。

このやり取りから早7年経つ。
その間は何もなかった。その間書類に署名捺印をしていたかも知れない。
請求の件は「セの字」も出て居ない。
彼は全く自分には関係なくなったと思って居た。

それが突然請求書だ。
この時は彼の事業も左前になりつつあった。

「俺は殆ど払って居る。あの時にもうもう回収には来ないと、約束してではないか。」
「当時の担当者は確かにあなたの希望を聞いて居ます。しかし債務放棄をすると云う約束は、
 何一つしてないと言って居ます。」

激しい論争になった末、彼はふと云った。
「俺ばかり責めないで債務者ともう一人の保証人を責めろよ。立派な邸宅と云う噂だよ。」
「債務者は私どもも知って居ます。破産して居ます。もう一かたは場所を知らないですが知って居たら教えてください。」
「隣町のあの辺に住んでいると聞いたが、知っていても俺からは教えられない。」
それで別れた。

暫く経った。また保証協会から電話が有った。
「保証人が解りました。払って頂いた後、まだ残が200万有ります。これをお願いします。」
これまた揉めてが、最終、10万を払い、保証協会は直ちにこれ以上請求しないと言う文面
を渡すことで和解した。

口約束からくる悲劇です。
かっては銀行とは話し合いが会っても、約束を書類にして例はありませんでした。
みんな口約束だけです。

銀行は口約束でも守りました。
でも銀行はこれを処理せず保証協会やサービサーに譲渡して居ます。
多くの諍いが起こりました。
それだけでなく、サービサーや保証協会も口約束だけでよいと思って居たのが
多かったのです。本件もこの悲劇の一つです。

最近はサービサーなどきちんとなって居ますが、保証協会でこんなことが起こるとは夢にも思って居ませんでした。

この時も10万払って書類はなかなかくれません。
1ヵ月ほどたって、A4版半紙に2行の文句でした。

大幅に改善されている事。もっと徹底し、こうした問題は繰り返したくはありません。