新幹線の止まる街、しかし静かな住宅地です。
Sは早くから此処に住んで居ました。地価下落と云っても、此の不動産は5000万くらいの価格は付くでしょう。
娘と夫婦の3人暮らし。Sはどうしても此の不動産を守らなければと悩んでいます。
Sは兄の会社のNO2、此の地の工場の責任者です。
その兄の会社がおかしいです。
その時に自宅のことで相談した人が居ります。やり方を全部説明した後、念を押されました。「是非今からやって置きなさい。間際にやっても役立ちませんよ。」と薦められながらも、直ぐに手を打てず、小1年ほど何もせずに放って置きました。50万くらいと、思ったより費用が懸かるため躊躇したのです。しかし結果から見ると此れが仇になって居ります。
Sが自宅の防御策に出たのが、不渡りを出す半年前でした、
この時に漸く動いたのです。
不動産を2000万、結婚30年の彼は、結婚20年の減税を利用し妻に送りました。
残った名義分を担保にして78歳の叔父からお金を借りることにしました。
其れを他立ち人会社に回し、会社は支払いに当てるという処理をしました。勿論造り事です。
そうした処理をすると、彼はもう完全に不動産は助かった気がして安堵したのです。
会社は半年後不渡りを出して倒産しました。
東京の兄の自宅も工場も不動産は全て処分しました。保証人のSには誰もなんとも言ってきません。安心すると同時に鼻高々です。
自分の打った手を、依頼した司法書士にも自慢したのです。
半年くらい経ちました。
第2会社で懸命に動いているSに1通の内容証明が届きました。信金からです。
要旨は自宅の名義を変えたり、担保にしたことは、銀行に払いたくないからやった事でしょう。直ぐに登記を元通りに戻してください。と云うことです。
「詐害行為取り消し請求」と云うのだそうです。
放っておいたら訴状と仮差押の通知が届きました。
前に自宅を守るということで相談した人は「もう此の事件は負けるよ。
其れより裁判にしないで和解を申し込み、安く買い戻すしかないよ。
今ならば相当信金も考えてくれるよ。」と云う意見です。
しかし、会社の弁護士と、地元の古い付き合いの弁護士の二人は一寸違いました。
「奥さんに名義を変えたことは負けるかも知れないな。
しかし担保の方は実際にお金を動かして居り、しかも銀行との争いを
貸した人は知らなかったと云うならば勝つ可能性は充分にありますよ。」
と云うことです。
此れさえ勝てば、たとい競売になっても、安く買い戻す手段は幾らもある。
上手くすれば妻に贈与も認められるかも知れない。こう思ってSは訴訟を
受けて立つことに決めました。
結果論ですから断言は出来ませんが、この時に和解を申し込んでいると、
地元の信金ですし、幹部には顔見知りも居ます。
安い和解金で応じて呉れたかも知れません。しかし事態は裁判と
云うことになりました。
妻の贈与は簡単に負けました。
「長い事一緒に居て二人暮らしと同然の夫婦が、会社の危機を
話し合わない筈がない。奥さんも其れを知っていて贈与を受けたと思う。」
幾ら妻も当人も結婚した当時から30年経ったら名義を分けましょうと
約束していましたといっても裁判官は一顧だにしませんでした。
しかし知人の担保は粘りました。
78歳の叔父は、先ず法廷で「Sの叔父ですね。」と云われた時は目を
むきました。そんな事相手は知る由も無いと思っていたからです。
答え方も若干、しどろもどろでした。弁護士からは云われて居たのに、
叔父に説明不十分なことが影響して居ります。
思いかけなかったのはあの司法書士の証言でした。何でこんな処にこんな人が出たのか解かりません。此れが決め手となりました。
後日、「銀行は司法書士や弁護士とは、殆ど連絡網はある。彼らに仕事を依頼する時は本当に気をつけないといけない。」と聞かされて、あの場面で司法書士が出てきた事に納得しました。
裁判は負けました。叔父は再び法廷に出ることを拒否し、
上告はしませんでした。仮差押の物件は差押となり競売になりました。
法廷で争いの最中、Sは自宅に車庫を作って居ます。
いわゆる執行妨害です。娘の名前でと思ったが、登記は出来ませんでした。
以前から相談した人は「無駄なこと。止めなさい。」の一言です。しかし付き合っている仲間で効果有ると云ってくれた人も居り。その言葉に従ったのです。
競売は簡単に落札されました。車庫など問題にもなりません。
取り壊しの義務だけが残ったのです。
立ち退きも粘りました。強制執行のための調査があるまで粘ったのです。そのために相手が提示した引越料も手に入りません。
今回のSを見ていますと、「感じたことも、思いつきも良かった。ただ彼には直ぐにやると云う実行力が無かった。そして余りにも計算が細かかった。結果後日それ以上を使って失敗している。」と云うようなことになって居ます。
Sみたいな人、多いと思います。
大事な自宅、守れるか失うかは一寸した勇気と心使いが決めると思います。
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Sは早くから此処に住んで居ました。地価下落と云っても、此の不動産は5000万くらいの価格は付くでしょう。
娘と夫婦の3人暮らし。Sはどうしても此の不動産を守らなければと悩んでいます。
Sは兄の会社のNO2、此の地の工場の責任者です。
その兄の会社がおかしいです。
その時に自宅のことで相談した人が居ります。やり方を全部説明した後、念を押されました。「是非今からやって置きなさい。間際にやっても役立ちませんよ。」と薦められながらも、直ぐに手を打てず、小1年ほど何もせずに放って置きました。50万くらいと、思ったより費用が懸かるため躊躇したのです。しかし結果から見ると此れが仇になって居ります。
Sが自宅の防御策に出たのが、不渡りを出す半年前でした、
この時に漸く動いたのです。
不動産を2000万、結婚30年の彼は、結婚20年の減税を利用し妻に送りました。
残った名義分を担保にして78歳の叔父からお金を借りることにしました。
其れを他立ち人会社に回し、会社は支払いに当てるという処理をしました。勿論造り事です。
そうした処理をすると、彼はもう完全に不動産は助かった気がして安堵したのです。
会社は半年後不渡りを出して倒産しました。
東京の兄の自宅も工場も不動産は全て処分しました。保証人のSには誰もなんとも言ってきません。安心すると同時に鼻高々です。
自分の打った手を、依頼した司法書士にも自慢したのです。
半年くらい経ちました。
第2会社で懸命に動いているSに1通の内容証明が届きました。信金からです。
要旨は自宅の名義を変えたり、担保にしたことは、銀行に払いたくないからやった事でしょう。直ぐに登記を元通りに戻してください。と云うことです。
「詐害行為取り消し請求」と云うのだそうです。
放っておいたら訴状と仮差押の通知が届きました。
前に自宅を守るということで相談した人は「もう此の事件は負けるよ。
其れより裁判にしないで和解を申し込み、安く買い戻すしかないよ。
今ならば相当信金も考えてくれるよ。」と云う意見です。
しかし、会社の弁護士と、地元の古い付き合いの弁護士の二人は一寸違いました。
「奥さんに名義を変えたことは負けるかも知れないな。
しかし担保の方は実際にお金を動かして居り、しかも銀行との争いを
貸した人は知らなかったと云うならば勝つ可能性は充分にありますよ。」
と云うことです。
此れさえ勝てば、たとい競売になっても、安く買い戻す手段は幾らもある。
上手くすれば妻に贈与も認められるかも知れない。こう思ってSは訴訟を
受けて立つことに決めました。
結果論ですから断言は出来ませんが、この時に和解を申し込んでいると、
地元の信金ですし、幹部には顔見知りも居ます。
安い和解金で応じて呉れたかも知れません。しかし事態は裁判と
云うことになりました。
妻の贈与は簡単に負けました。
「長い事一緒に居て二人暮らしと同然の夫婦が、会社の危機を
話し合わない筈がない。奥さんも其れを知っていて贈与を受けたと思う。」
幾ら妻も当人も結婚した当時から30年経ったら名義を分けましょうと
約束していましたといっても裁判官は一顧だにしませんでした。
しかし知人の担保は粘りました。
78歳の叔父は、先ず法廷で「Sの叔父ですね。」と云われた時は目を
むきました。そんな事相手は知る由も無いと思っていたからです。
答え方も若干、しどろもどろでした。弁護士からは云われて居たのに、
叔父に説明不十分なことが影響して居ります。
思いかけなかったのはあの司法書士の証言でした。何でこんな処にこんな人が出たのか解かりません。此れが決め手となりました。
後日、「銀行は司法書士や弁護士とは、殆ど連絡網はある。彼らに仕事を依頼する時は本当に気をつけないといけない。」と聞かされて、あの場面で司法書士が出てきた事に納得しました。
裁判は負けました。叔父は再び法廷に出ることを拒否し、
上告はしませんでした。仮差押の物件は差押となり競売になりました。
法廷で争いの最中、Sは自宅に車庫を作って居ます。
いわゆる執行妨害です。娘の名前でと思ったが、登記は出来ませんでした。
以前から相談した人は「無駄なこと。止めなさい。」の一言です。しかし付き合っている仲間で効果有ると云ってくれた人も居り。その言葉に従ったのです。
競売は簡単に落札されました。車庫など問題にもなりません。
取り壊しの義務だけが残ったのです。
立ち退きも粘りました。強制執行のための調査があるまで粘ったのです。そのために相手が提示した引越料も手に入りません。
今回のSを見ていますと、「感じたことも、思いつきも良かった。ただ彼には直ぐにやると云う実行力が無かった。そして余りにも計算が細かかった。結果後日それ以上を使って失敗している。」と云うようなことになって居ます。
Sみたいな人、多いと思います。
大事な自宅、守れるか失うかは一寸した勇気と心使いが決めると思います。
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