「木都 能代」
「木都能代」の言われ
明治になって新産業が台頭すると、木材界にも新風が流れ込みました。明治の政商大倉組や、深川の材木問屋久次米商店が秋田材に目を付け、農商務省とかけ合い、大量の秋田材を伐りだしていきました。
主として板に製品化された木材は、東京・大阪などの新都市建設で需要が伸びる一方でした。井坂は、明治40年(1907)に資本金200万円の秋田木材株式会社を創立しました。当時としては破格な規模の工場を持ち、全国に販売網を拡げ、北海道・樺太・朝鮮にも原料供給の基地をつくりました。
すでに秋田材は枯渇の危機を迎えていましたが、第一次大戦の、いわゆる大戦景気に乗って、国内はもとより海外にまでその経営網を拡げて、「東洋一」の秋田と称せられ、その故に能代は「木都」と称せられたのです。
木材関連の建物
・能代木材工業団地
能代木材工業団地は、能代港に隣接した臨海部(約13ヘクタール)と、港湾道路で結ばれた内陸部(約15ヘクタール)にわかれた近代的な総合木材工業団地です。各工場からは、長年培われた豊富な経験を生かした高度な技術で、それぞれ特色ある優れた製品が生み出されています。
・能代市内の小学校
能代市内には木造建築の小学校があります。ある小学校の校舎は秋田杉のフローリ ングや木製のサッシ、秋田杉の小径木や間伐材を利用した机やいすなど枚挙にいとまがありません。また、別の小学校では廊下では採光を考え、障子を組み込み光を取り入れられるようにしていたり、正面昇降口には杉を縦格子状に巻きつけた柱がそびえ、ひと際目を引きます。
・木の学校
色々な道具を使って、作品を仕上げていきます。森林や木を正しく知り、木に直接 触れ、木の良さを学び、木工の楽しさを体験する施設です。教室は常に盛況で、市民の木材に対する関心度の深さがよく見えます。
・木材高度加工研究所
木材産業の高度化や、木材製品の付加価値の工場を支援する為の研究開発拠点とし て、この研究所は建設されました。ここでは杉を中心に、秋田県の木材産業を従来の資源依存型から、技術立地産業へ転換する為の木材利用の先端技術を開発しています。
・能代木材工業総合展示館
原木の伐採から搬入、生産工程の移り変わりを見ることが出来、木都能代の歴史を 感じることができます。建具や家具、住宅建築など、現在の職人技も各種見ることが出来、自然を生かす技と、知恵に驚かされます。
・銘木センター
協同組合秋田県銘木センターは、昭和47年秋田杉を利用する全ての業者に木材の流通が円滑化する開かれた拠点となるべく創設されました。能代の基幹産業である木材の製品の出荷では重要な役割を占め、天然秋田杉を主体とした銘木製品、一般建築、盤類、原木などを取り扱っています。
*https://www.city.noshiro.lg.jp/res/kanko/theme/1202 より