「253 アカリネ004」
風の盆
風の盆とは、富山県八尾町で毎年9月に開催されるお祭りである。人口三千人弱の町に全国から毎年20万人もの観光客が訪れるという。風の盆の祭りでは、編み笠を被った男女の踊り手が、胡弓の調べに乗って夜中に町を練り歩きながら舞う踊りが特徴である。アカリネ004の半円形のフォルムは、この編み笠のカタチをイメージしてデザインした。また、八尾町の地元の型染め和紙生産者:桂樹舎とのコラボレーションの製品である点もユニークだ。
型染め和紙
富山県はまた、薬売りでも有名だが薬を包む和紙のために、かつて農閑期のほとんどの農家が手漉き和紙の生産を行っていたとか。現在、この手漉き和紙を生産しているのは八尾町の桂樹舎を1社残すのみだ。
型染め和紙の特徴は、着物や帯を染める技法と同じく染料が和紙の奥まで浸透しているので、色に深みがあり、折り目でもくっきりと色が残る。
加速度センサー
振動を感知するのは、加速度センサーの働きによる。半円形のフォルムの一部を触ると、円弧が揺れる。そのわずかな揺れをセンシングしてLEDライトがゆっくりと点る。そして約1分後にじわりと消灯する。照明の機能としては、あまり役に立つとは思えないが、触る、揺れる、灯りが点る、という単純なインタラクションになぜが和むことに気づく。アカリネ004の魅力は、機能を超えたところにあるのかもしれない。
仕様
・品名:Interactive Light
・デザイナー:Yuji Morimiya, Acarine Inc.
・型名:ACA-4
・商品番号:acarine 004
・ランプ:LED
・電源:ボタン電池(LR44)x 2個
・電池寿命:約2ヶ月(1日5回の点灯時)
・使用温度:0℃〜35℃
・シェード:型染め手すき和紙(直径160mm)
・本体材質:ポリプロピレン、ステンレス他
・サイズ:148(幅) x 119(高)53(奥)mm (シェードを組んだ状態)
・質量:約19g(電池込み)
株式会社アカリネ 千葉県千葉市中央区弁天3-8-19
森宮 祐次(Yuji Morimiya)株式会社アカリネ 取締役、クリエイティブディレクター
1957年2月 福岡県北九州市に生まれる
1981年:千葉大学 工学部工業意匠科卒業
1981-1986年:日本ビクター(株)にて、プロダクトデザイナー
カムコーダー GR-C7にて1986年・Gマーク部門賞 受賞、特許庁長官賞 受賞
1986-2009年:ソニー(株)にて、アートディレクター、QUALIA クリエイティブディレクター、プロデューサーを務めた
カムコーダー CCD-TR55 にて1989年・Gマーク大賞 受賞、マガジンハウス ポパイ誌 デザインオブザイヤー金賞etc
プラズマトロン PZ-2500 にて1996年・Gマーク金賞 受賞
2009年5月:ソニー(株)退職
2009年6月: ブルーパーセプト 設立
2010年7月: 株式会社 アカリネ 創立 代表取締役社長
2017年4月: 株式会社 アカリネ 取締役、クリエイティブディレクター
2017年4月:日本大学 生産工学部 創生デザイン学科 専任教授
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