登録番号 第107号 ルックガン ライチ
特定農林水産物等の区分 第1類 農産物類 果実類(ライチ)
特定農林水産物等の生産地 ベトナム国バックジャン省ルックガン県のチュ町、ギアホーコミューン(現「チュ町」)、ドンコックコミューン、ビエンソンコミューン、ビエンドンコミューン、ジャップソンコミューン、ホンジャンコミューン、キエンラオコミューン、キエンタインコミューン、ミーアンコミューン、ナムズオンコミューン、フィディエンコミューン、フオンソンコミューン、クィソンコミューン、タンホアコミューン、タンラップコミューン、タンモックコミューン、タンクアンコミューン、タインハイコミューン及びツーフウコミューン
登録生産者団体 Hội sản xuất và tiêu thụ vải thiều Lục Ngạn(ルックガン ティエウライチ生産消費協会)
特定農林水産物等の特性 ルックガンライチは、他のベトナムの栽培地域のライチと比較して、大きく、甘みが強いライチである。
ルックガンライチの平均重量は、他のベトナムの栽培地域のライチよりも少なくとも約10%重く、果実の底部から頂点までの高さの平均は少なくとも約11%長い(資料1)。また、ルックガンライチの平均ブリックス値は、他のベトナムの栽培地域のライチのものよりも約2~3%高く、平均総糖度は約2~5%高い(資料2)。
生ライチの他、冷凍全ライチ、皮むき及び種抜きがされた冷凍ライチの状態で出荷され、冷凍全ライチと皮むき及び種抜きがされた冷凍ライチは、生ライチの特性と同じである。
ルックガンライチは2008年にベトナムにおいて地理的表示として登録され(地理的表示登録第1012 / QD-SHTT号)、2020年のEU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の発効により、EUにおいても地理的表示として保護されている。
地域との結び付き ルックガンライチの生産地域は盆地にあり、生産地域の東と南にはドントリエウ弧形が位置しており、西と北にはランソン省から続くバックソン山脈の低山が位置している。この地形により、ルックガンライチ生産地域特有の気候、すなわち、長く乾燥した冬がもたらされる。最も気温が低い月は2月であり、2月の平均気温は15.2℃である(2015年~2019年)。この冬の低温は、ルックガンライチの開花と結実に好ましい条件である。
温度の他に、ライチの生長段階と生長期間に適した降水量が挙げられる。具体的には、平均年間降水量は1174.5~1736.1ミリメートルであるが、花芽の分化のため寒く乾燥した天候が必要な時期(11月~翌年2月)には、降水量は非常に少なく1.4~148.3ミリメートルである(2015年~2019年)。一方、果物の発育段階(3月~翌年6月)に入ると、ルックガンの総日照時間は他のティエウライチ栽培地域の総日照時間よりも長くなる。
ルックガンライチは、小石の多い土壌の丘陵地に高密度で植えられる。この丘陵地形では地下水容量が低いため、ライチの木への給水を他のライチ栽培地域よりも効果的に制限することが可能となる。そのため、ルックガンライチは甘くなるが、タインハや他の有名なライチ栽培地域のより大きな河川系地域では、地下水容量が高く、ライチの甘さはより穏やかとなる。ルックガンライチの甘さは、土壌中のカリウム(可溶性K2O)の含有量が高い(土壌100グラムあたり2.23~18.63ミリグラム)(2015年)ことにも起因している。
収穫後、他のライチ生産地では大きな枝は剪定されず小さく細い枝のみ剪定されるのと異なり、ルックガンライチ生産地では、新しい葉を作り、全ての枝がより多くの日光を受け光合成の強化及び有機栄養素の蓄積ができるよう、大きな枝を含むほぼ全ての枝が剪定される。これにより、果実の大きさと次期の安定的な供給が保証される。
以上の地理的条件のおかげで、ルックガンライチは強い甘味と大きな果実を有する。
*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/i107.html より
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