「小麦まんじゅう」
主な伝承地域 栃木県全域
主な使用食材 小麦粉、小豆
歴史・由来・関連行事
「小麦まんじゅう」は、小麦粉で作った皮で小豆あんを包み蒸したもの、単にまんじゅうとも、また、炭酸(重曹)を加えて作られるため、「炭酸まんじゅう」とも呼ばれ、昔から各家庭で作られてきたふるさとの味である。
栃木県は、二毛作で麦の作付けも多く、古くから小麦を使った料理が人々に親しまれてきた。小麦まんじゅうも年中行事や冠婚葬祭の日には欠かせない料理の一つとなっている。特に、小麦収穫後の新鮮な小麦粉が出回る盆行事には欠かせない料理だった。
旧暦7月1日は「釜蓋朔日(かまのふたついたち)」と呼ばれ、「地獄の蓋が開く日」とされ、この日「釜蓋」に供えるまんじゅうを「釜蓋まんじゅう」といった。ご先祖様が迎え盆の13日に間に合うように帰るため、地獄の窯の蓋が開くと言われる釜蓋朔日にあの世を出発すると言い伝えられ、ご先祖様が腹を空かせることのないよう、釜蓋まんじゅうを供える。
食習の機会や時季
栃木県は、台地や二毛作田が広がり日本有数の麦作地帯である。6月ごろから始まる大麦や小麦の収穫は7月まで続き、盆前に挽きたての小麦粉が出回るので盆にはまんじゅうやうどんなど小麦粉を用いた料理が作られた。
飲食方法
小麦粉に重曹を入れふるいにかけ、砂糖水を加えながら、耳たぶより柔らかな生地を作り、あんを包み込んでまんじゅうを蒸し上げる。近年は皮にカボチャやほうれん草、春菊などをペースト状にして加えて作ることも多く、色や香り、味ともにバラエティーに富んだまんじゅうが楽しめる。他にも、白砂糖のかわりに黒糖を使うと茶まんじゅうになる。あんも小豆だけではなく、味噌あんやサツマ芋あんなどを応用して作っている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
県内の農村直売所で、手作りの小麦まんじゅうが販売されることが多い。また、宇都宮市内の市民活動団体は、郷土料理教室を通じて、小麦まんじゅうをはじめとする伝統料理の保存、伝承を行っている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_7_tochigi.html より
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