「煮あえっこ」
主な伝承地域 下北地方
主な使用食材 大根、人参、わらび、ごぼう、油揚げ、豆腐
歴史・由来・関連行事
「煮あえっこ」は下北地方の郷土料理。やませの影響で冷害被害が多く稲作が難しかった下北地方では、食糧確保のためのさまざまな工夫が発達した。野菜は大根、人参、ごぼうなどの根ものがほとんどで、山菜は塩蔵や乾燥で保存食にした。そのような食材を活用し、秋大根の収穫がはじまるとこぞってつくられたのが「煮あえっこ」である。日常的にも食卓にのぼるが、冠婚葬祭など人の集まる機会には必ずたくさんつくって振る舞われた。「にえっこ」と呼ばれることもある。
食習の機会や時季
旬の時期に収穫し、塩漬けや乾燥で保存したわらびやぜんまいを使うのが特徴。現代は収穫後ゆでて冷凍しておくことが多い。秋から冬の家庭料理として、冠婚葬祭のおもてなしとして、また小正月に精進料理として大量につくりおきし、女性が休みをとる習慣もあった。寒い時期には地元で採れる岩のりを入れることもあり、一段と豪華なごちそうになる。
飲食方法
野菜を細長く切って油で炒め、水きりした豆腐を崩しながら加えてさらに炒める。調味料を加え、汁気がなくなるまで煮る。最後にのりや、収穫期には岩のりを加えることもある。塩蔵したわらびを時間をかけて水でもどす、炒める前に大根を下ゆでするなど、素朴ながら手の込んだおもてなし料理である。気温の低い時期のものなので、そのまま保存し数日かけて食べられることも多い。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
山菜の塩蔵など手間のかかる作業を家庭でおこなうことが少なくなり、核家族化によって大鍋で大量に調理する機会も減っている。栄養豊富で身体によい郷土料理を次世代につなごうと、学校給食で積極的に提供したり、JA、地域のグループなどがレシピを発信したりするなど伝承活動に取り組んでいる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/niaekko_aomori.html より
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