現役時代にはサラリーの範囲内の「並み」が精いっぱいだった。
リタイア後はすっかりご無沙汰だったが、今年1月の小生の誕生日に倅がテイクアウト・プレゼントしてくれたのをきっかけに、女房と二人で20数年ぶりに訪ねた。
現在はロイド眼鏡をかけた千秋似の女将が独りで切り盛り、もう一人のやや若い女性従業員が配膳。
かねてより、愛想もなくお客などおかまいなしで、母と二人三脚で、しゃべりっ放しで料理をするような店だった。
焼くだけの関西仕様だが、箸だけで簡単に切れるほど軟らかい。タレはすっきりタイプ、甘辛さを抑えてあり焦げ目の香ばしさを堪能できる。うなぎ自体の厚みはなく、脂のノリも少なめ。
レジで、
「今も変わらぬ昔の味で、とても美味しかった! お母さんはお元気?」と尋ねると、
「昨年10月16日、2回目の脳梗塞を起こし、95歳で亡くなりました」とのことなので、お悔やみを申し上げた。
※うなせん
岡山では老舗の部類で、先代は市場かどこかでウナギを扱っていたと聞く。

