今日は頭部に出来た粉瘤(アテローム)の摘出手術日。手術着に着替えて手術台に上がるのは21年ぶりのこと。執刀のO原、K瀬両医師と看護師二人に全てを委ねた。
6階にある手術室へのエレベーターでは、他に2組の患者と一緒になる。1組は家族に「頑張って!」といわれ、「頑張るのは自分じゃなくて先生」と返す。あと1組は鼻からチューブを通し車椅子で、かなり重篤そう。小生が最も軽そうなのだが、付添いの看護師から「頑張って!」と激励の言葉をかけて貰い、「こらから小なりといえども手術なんだ」と、いやがうえにも緊張感が高まる。
手術に入る前に、主治医のO原先生が肩に手をおいて「三日月51さんから聞いています」の一言に、やっと緊張が解れ安堵する。
話は逸れるが、術前の緊張のあまり、血圧が下がり手術を見合わせた例を過去2回見ている。1回目は40数年前の蓄膿の手術、2回目は30数年前の痔の手術である。
手術部位が後頭部のため、うつ伏せ体勢での手術。「皮膚の裏に麻酔が効くまで個人差がある。痛かったら遠慮なく仰ってください」と言われ、一瞬チクッとしたと思ったらもう手術が始まっている。
クラシック音楽をBGMに粛々と進められる。時折「ハサミ」とか「そっちを引っ張れ」の会話が聞こえる。痛くはないが、切り口を広げたり出血を拭う感覚だけが伝わってくる。終わりごろには血が額を伝って、目の前の白いシーツを派手らしく染める。
切り口を縫合しながら、「白い糸で良かった」「黒なら同化して髪の毛と区別がつかない」などと、二人の医師が言い合うのを聞きながら、手術の終盤を悟る。ここまで所要時間は正味ざっと30分、切り口は約4㎝で5針を縫う。
若いK瀬医師から、切除して瓶に入った親指大の病巣を前に説明があった。「ひとまず病理検査に出すが心配はない。粉瘤(アテローム)といってニキビの親玉のようなもの」とのこと。
術後の経過観察は明日の9時で、一週間もすれば抜糸となるだろう。案じていた摘出手術は、思いの外簡単に済み、10年来の小さなコブとやっと決別出来た。
小なりといえども“手術”であり、また良性といえども響きは悪いが“腫瘍”には違いない。
6階にある手術室へのエレベーターでは、他に2組の患者と一緒になる。1組は家族に「頑張って!」といわれ、「頑張るのは自分じゃなくて先生」と返す。あと1組は鼻からチューブを通し車椅子で、かなり重篤そう。小生が最も軽そうなのだが、付添いの看護師から「頑張って!」と激励の言葉をかけて貰い、「こらから小なりといえども手術なんだ」と、いやがうえにも緊張感が高まる。
手術に入る前に、主治医のO原先生が肩に手をおいて「三日月51さんから聞いています」の一言に、やっと緊張が解れ安堵する。
話は逸れるが、術前の緊張のあまり、血圧が下がり手術を見合わせた例を過去2回見ている。1回目は40数年前の蓄膿の手術、2回目は30数年前の痔の手術である。
手術部位が後頭部のため、うつ伏せ体勢での手術。「皮膚の裏に麻酔が効くまで個人差がある。痛かったら遠慮なく仰ってください」と言われ、一瞬チクッとしたと思ったらもう手術が始まっている。
クラシック音楽をBGMに粛々と進められる。時折「ハサミ」とか「そっちを引っ張れ」の会話が聞こえる。痛くはないが、切り口を広げたり出血を拭う感覚だけが伝わってくる。終わりごろには血が額を伝って、目の前の白いシーツを派手らしく染める。
切り口を縫合しながら、「白い糸で良かった」「黒なら同化して髪の毛と区別がつかない」などと、二人の医師が言い合うのを聞きながら、手術の終盤を悟る。ここまで所要時間は正味ざっと30分、切り口は約4㎝で5針を縫う。
若いK瀬医師から、切除して瓶に入った親指大の病巣を前に説明があった。「ひとまず病理検査に出すが心配はない。粉瘤(アテローム)といってニキビの親玉のようなもの」とのこと。
術後の経過観察は明日の9時で、一週間もすれば抜糸となるだろう。案じていた摘出手術は、思いの外簡単に済み、10年来の小さなコブとやっと決別出来た。
小なりといえども“手術”であり、また良性といえども響きは悪いが“腫瘍”には違いない。