何時の頃からか確と覚えぬが右肩に鈍痛がある。普段はそれほど痛む訳ではなし、服の袖を通す時とか左肩越しに背中を掻こうと腕を伸ばした時に痛みが走るくらいなので放置している。
カルテを繰ると3年前、同症状で近所のRクリニック(整形外科)を訪ねていた。その折には、レントゲン写真で見る限り骨に異常は認められず、下された病名は「肩関節周囲炎」。いわゆる四十肩・五十肩と診断された。
更に遡ること4年前には左頚椎間板症(筋筋膜症)と診断、痛み止め注射の上、首の牽引と理学療法士による頚、肩甲骨のストレッチ指導を受けている。
還暦をとうに過ぎ、何で“今更の五十肩”と訝る向きもあるが、まぁ、前回のように時間の経過とともに痛みがとれてくることを期待しつつも、忍び寄る老化現象の前兆に愕然とするばかり。
親父も酷い肩凝りで、子どもの頃からよく揉まされた。親子は似なくていいところほど似るものだが、明らかに父→私→長男と“肩凝り”のDNAだけは受け継いでいるようだ。
余談ながら、わが国で「肩が凝る」という言葉を初めて使ったのは、夏目漱石とされている。
『指で圧してみると、頸と肩の継目の少し脊中へ寄った局部が、石のように凝っていた。御米(およね)は男の力一杯にそれを抑えて呉れと頼んだ。宗助の額からは汗が煮染み出した。それでも御米の満足する程は力が出なかった。』《1910年(明治43年)夏目漱石「門」》
つまり夏目漱石こそは“肩凝りの元祖”で、孫の手に玉をつけたり、英国の学会で紹介、ストレッチを日本に伝えたのも漱石だそう。(お断り:facebookに同文掲載)
☆Rクリニックで渡されたリーフレット「
弁慶・牛若丸の肩痛教室」