富田林百景+ 「とんだばやし」とその周辺の魅力を発信!「ええとこ富田林」

大阪の東南部に位置する人口10万ちょっとのごく普通の町、富田林。その魅力を、市民の手で発見していきます。

じないまちの駒寄せ その2

2025年02月22日 | じないまち あれこれ

富田林じないまちに30例以上もある「駒寄せ」のその2です。基本が同じでも、高いの低いの、横板の数、補強板の有無など、すこしずつ作り方が違っています。

 

〈橋川家住宅〉亀ヶ坂筋一里山町

厨子(つし)二階平入り・切妻/入母屋・桟瓦葺き・駒寄せ・袖うだつ

 

背の高い駒寄せ 横板3枚に、上面に補強板のあるタイプ。縦板には彫り模様があります。

 

 

〈宮本家住宅〉市場筋北会所町

本二階平入り・入母屋/切妻・桟瓦葺き・駒寄せ

 

こちらも頑丈な背の高い駒寄せ 横板3枚に、上面に補強板のあるタイプ。

元来「駒寄せ」は柵内の柱に「駒つなぎ」があり、防ぐものがないと柱に牛が体をこすり付けて痛むので、そのガード的役割であったと思われます。現在は犬やお子様あるいは立ちシ○ン防止のため、強度のあるものはあまり見られませんが、「駒寄せ」の語源はここにあったと思われます。

 

〈万里春酒造横 石田家住宅〉東筋堺町

 本二階平入り・入母屋・むくり屋根・桟瓦葺き・駒寄せ

 

横板2枚、上面と下部に補強用の横板、縦板は細い目。

 

〈北野家住宅〉東筋南会所町

建築年不明 厨子(つし)二階平入り・切妻/入母屋・桟瓦葺き・駒寄せ・犬矢来

じないまちの町家に30例以上ありますが、特に必要性があるのかなというところにも点在します。

 

横板3枚、下部に補強板。柵内の出入りが可能。

駒寄せが現在も使われているのは、敷地に立ち入りを妨げる意味か、敷地と道路を分け隔てる意味か、また美観上の問題なのかがよくわかりません。

 

〈山本家住宅〉富筋富山町

厨子(つし)二階平入り・入母屋・桟瓦葺き・駒寄

 

2種類の駒寄せがあります。

短いタイプの鉄製駒寄せ。これだけ短いと本来の駒を寄せる「駒寄せ」の要素はなくなります。

 

木製の長いタイプも妻部分の下にあります。

 

〈大橋家住宅〉亀ヶ坂筋御坊町

本二階妻入り・入母屋・桟瓦葺き・駒寄せ

 

短い駒寄せ 横板2枚、下部に補強板。

 

〈南奥谷家住宅〉城之門筋北会所町 19世紀後期建設 屋号:岩瀬屋  生業:味醂醸造

厨子(つし)二階平入り・切妻・桟瓦葺き・忍び返し(一部)・駒つなぎ・袖うだつ・駒寄せ

 

短い目の駒寄せ。横板3枚、下部に補強板。縦板の隙間は広め。

 

〈佐藤家住宅〉亀ヶ坂筋北会所町 

文政3(1820)建築 屋号:佐渡藤 紅梅味醂醸造 厨子(つし)二階平入り・入母屋/切妻・本瓦葺き・駒つなぎ・駒寄せ・起り屋根(むくりやね)

 

横板3枚、縦板は細くの隙間は広め。

 

〈川合家住宅〉亀ヶ坂筋一里山町

厨子(つし)二階平入り・入母屋/切妻・桟瓦葺き・駒寄せ

 

短い目の駒つなぎ。横板3枚、下部に固定用の横板があります。縦板太く、等間隔に設置。

 

〈泊や〉市場筋南会所町

厨子(つし)二階平入り・切妻・桟瓦葺き・駒寄せ・袖うだつ

 

短いタイプの駒寄せ。横板3枚、上下に補強板。縦板は細い。

駒寄せもいろいろな種類がありました。じないまちの案内図だけでは、町のいろいろな表情は紹介されにくいと思います。駒寄せはその3に続きます。

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写真撮影:2025年1月15日、20日

2025年2月23日 アブラコウモリH

 

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