〈リバイバル・アーカイブス〉2024.3.25~4.8
原本:2022年4月10日
2022年4月6日 14:30 大阪狭山市池尻北一丁目1-1 南海 狭山駅2番ホームからの桜並木。 狭山駅は高野線のもっとも古い駅のひとつ。背景は金剛山。
桜だよりの期間は鉄道ファンに大人気。
狭山駅は明治31年(1898)大小路(現 堺東)~狭山駅間の運転開始。今から124年も前。
明治45年(1912)に南海の前身の高野登山鉄道が経営合理化のため、狭山駅の撤廃を決定したことがあります。
この時、地元の人達は「鉄道が地域の発展を促す重要な存在であると評価し、地元に多大の恩恵をもたらしている。」と、廃止に反対しています。
そして、会社側と村民側の代表が十数回の交渉を重ねた結果、条件付きで狭山駅の存続が決まりました。
なんと、村民が高野登山鉄道側への援助金500円を提供するというものでした。当時の貨幣価値を1円=今の2500円と試算すると、125万円程度の負担となります。
村の人の交渉とこの援助がなければ、今の狭山駅はなくなっていたかもしれません。
狭山駅は今も変わらず存在し、この周辺ではいま満開ちょっと過ぎの桜が咲いています。
クビアカツヤカミキリの食害で狭山駅や大阪狭山市駅の構内の老桜が全部枯れてしまい、残念な思いです。
この法面の桜もその被害に遭い、すでに何本かが枯れてしまいました。
外来種のこのカミキリが日本で初めて愛知県で確認されてまだ10年(2012)、急激に被害が全国に拡大しています。
この沿線の桜も3年ほど前はまだ元気でしたが、今咲いている桜も甚大な被害を受けています。「有終の美」とならなければいいんですが...なかなか良い手立てがないようです。
もうそろそろ桜だよりも終盤になりましたが、鉄道ファンの私にとってここだけは外せない重要な場所。歴史と美しさを誇る、南海電車 狭山駅周辺の桜と煉瓦暗渠の桜。
5号暗渠付近を走る電車 法面に桜が植えられ、ビューポイントの一つ。
ここは狭山池の下手にあたり、もともと狭山池ができる前の川筋となっていて、周りより土地が低いのでこんなに土盛りがされています。
高野鉄道(現在の南海 高野線)の狭山~長野間が開通する明治31年3月前に造られました。土を盛り上げて線路を敷き、里道や水路を6つの煉瓦のトンネルで通しています。その後法面に桜が植えられました。
一号暗渠(第40号拱渠)池尻中一丁目5 すでに120年以上、数百万回の汽車や電車の通過を支えているイギリス積みの煉瓦アーチ。もともと狭山池からの幹線水路橋、天井が低く頭を打ちますよ。
二号暗渠(第41号拱渠)池尻中二丁目2 周りの桜が枯れて残念。水路と歩道の併用トンネル。
三号暗渠(狭山里道暗渠)池尻中二丁目6 ここも水路(暗渠)が通り、人やバイクが通れます。
四号暗渠(第42号拱渠)池尻中二丁目6 水路専用の暗渠です。私有地なので近くまではいけません。
小さいながらも、アーチ端部の巻き煉瓦は3枚重ねと堅固です。
五号暗渠(狭山里道架道橋)池尻中二丁目7 橋の上の大きな桜が2本の枯れてしまいました。
六号暗渠 (第43号拱渠)東池尻三丁目 水路と人が何とか通れる暗渠。
七号暗渠(東除川暗渠)狭山四丁目 ここも東除川沿いの桜の被害が目立ちます。何本かは枯れて以前のような華やかさはなくなりました。
「ねじりまんぼ」という煉瓦積みの工法を採用しています。ねじりまんぼはアーチの煉瓦が螺旋状に積まれたトンネルで全国でも20数か所しか残っていない貴重なものです。
一号暗渠付近を走る電車 電車から見る桜もきれいです。
以前まち巡りをした時の地図を参考にしてください。
関連記事:
南海煉瓦暗渠の桜2021 2021.4.2.撮影:3月29日
南海電車 狭山駅周辺の桜 2020.4.10.撮影:4月3日
写真撮影:2022年4月6日
2022年4月10日(HN:アブラコウモリH )
クビアカツヤカミキリ、本当に憎いですね。
私は去年の初夏からクビアカツヤカミキリ駆除に精を出しています。
河内長野市もかなりの桜が切られていますし、まだフラス(木くずのような糞)が出ている桜がたくさんあります。
もっと国民に周知させて日本から桜が無くなるぞ!と警告して、早く手を打たないといけないですね。
桜が何本も切られていて、また花の咲いていない立ち枯れの桜の老樹もたくさん見かけました。
駅南の法面東側の桜は全滅です。
カミキリの被害は恐るべき状況で広がっています。このままでは狭山駅周辺の桜と煉瓦暗渠の桜は3年後には全く残らないでしょう。
おっしゃるとおり、早くなによい駆除方法を見つけないと、日本の桜は絶えてしまいます。
このままでは千年以上続く吉野の桜もいずれ絶えるかもしれません。