アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

森喜朗元首相のいさめ

2008年12月07日 | Weblog
   森喜朗元首相のいさめ

 森喜朗元首相、71歳。私はノンセクトラディカルですが、この森元首相は、「人物だなあ」と思う人の一人です。ボストンを流れるチャールズ川の堤防に、日本から贈られた桜を植えることになりました。植樹祭へは、日本から、森元首相(当時は首相ではなかった)のほか国会議員さん3名が来られました。さあ、植えるぞという段階で、「スコップがない」ということになり、総領事館側やら、ボストン市側が大あわて。そのとき、森元首相は、「どれ!」と、上着を脱ぎ、素手で植樹を始めたのです。名家の出で、国会議員。「スコップがないと植えられないべ」とか、「手が汚れる、服が汚れる」など言い出すのかなと思ったら、全くその逆。ボストンの土手で、スタンドプレーをしても票に結びつかないので、打算でやったことではないです。「木はこうして優しく!」などと、場を和ますことも忘れない。スコップの用意を忘れ、後で責められる人の罪を少しでも軽くしようという気遣いから出た行為です。

 ランチョンでは、私ごとき者へまで、色々話しかけてくださいました。話しているうちに、私の友人が、森元首相の運転手をしていたことがあったということが分かりました。世間は、狭いものです。飾らない、偉そうにしない、豪放磊落でありながら細かな気遣いがある。頭の回転が速く、記憶力抜群、そんな人物です。

 その森元首相が吠えたましたねー。100kgを超える体重ですからド迫力だったでしょう。
 11月30日、兵庫県洲本市での自民党衆院議員の国政報告会で講演し、自民党若手国会議員らが麻生首相の政権運営に批判的な動きをしていると指摘した上で、「(総裁選で麻生氏を)自分たちで選んで、わずか2か月なのに、しっかり守っていこうという気持ちを持たないで、なんで政治家をやっているのか。マスコミに受けようとするなら、お笑いタレントでもやればいい」と、厳しく批判した。

 ズバッときましたねえ!森元首相らしい発言です。
 このところ、麻生首相元気ないです。記者会見も、早々に切り上げるし…「言い過ぎ」に注意しているのですね。

 麻生首相、医師を指し「社会的常識がかなり欠落している人が多い」と言いました。その後撤回。どうして陳謝して撤回したのか?撤回も陳謝も必要なし、失言ではないし、間違ったことでもないから。
 医師の社会常識の欠落は、どこぞの週刊誌の逆手を取って申し訳ないが(全然申し訳ないとは思っていない)、「患者の常識」です。患者で、社会常識のない医師に嫌な思いをさせられたことがない人はいないと思います。私の経験では、あまりにも腹が立って会計もせずに病院を出たことが1回。あまりにも腹が立ったが、心房細動で動けず、病院を逃げ出すことが出来なかったのが1回。よく考えると、いいお医者さんだな」と思える医者の割合の方が少ないです。

 麻生首相、よく言ってくれました。日本の医師の実態を、首相が突いてくれた。自らが病院経営に参画しているので、「医師の実態」をよく御存知なのです。「社会的常識がかなり欠落している人が多い」と、婉曲な表現をしていますが、「医師以前の、人として問題がある医師が多い」と、言いたかったと思います。そうなると、喧嘩を売っていることになるので抑えたのでしょう。
 産婦人科の医師不足、地方の医師不足で、早急に医師の量産を迫られている。高校の成績がよいから医学部に入る。「教科の成績がよい」だけでは、医師としてもっとも大切な「心」が育っていない人が医師になってしまう可能性がありますよ。という警鐘を鳴らしたかったのです。

 次に、私は毎朝歩いたり何かしているから、病気にもならず医療費がかかってない。たらたら飲んで食べて、何もしない人の分の金(医療費)をなんで私が払うんだ…と言ってくれました。これは、中国の太極拳のことが頭にあっての発言でしょう。予防医学です。中国では、都市部も田舎も、早朝から広場で太極拳です。台湾でも同じです。健康であれば、医療費がかからないからです。
そのために国をあげて太極拳をする。

 社会保障制度のことは、首相が知らないはずがありません。「たらたら発言」と同じ意味でも、「健康で、医療費がかからないのは幸せです。病気で医療費が必要な人に必要なだけ使ってもらうために、ジョギングでもウオーキングでもして、健康を維持する努力をしましょう」・・・こう言えば良かったのです。
 
 森元首相は、麻生首相の擁護のためではなく、人として、「仲間の悪口を言うなよ。人格が疑われるよ。仲良く協力していこうよ」と、言いたかったのでしょう。