アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

3国間パートナーシップ 漢字を課題に

2008年12月16日 | Weblog
  日中韓を漢字で結ぼう

 麻生太郎首相、温家宝中国首相、李明博韓国大統領・・・この3首脳が宰府市で、3カ国協力の促進をうたった共同声明を発表した。李明博大統領は、日本生まれだけあって親日派。満面の笑みも営業用ではない。温家宝首相も毒のない、いい笑顔で臨んでくれました。
 3首脳が署名した「3国間パートナーシップに関する共同声明」は・・・「地域および国際社会の平和・繁栄、持続可能な未来を創造するためのビジョンと責任を共有している」との認識の表明。領土問題、歴史認識問題という障害を乗り越え、東アジアのリーダーとして機能していくことが出来るといいです。

 日中韓の3首脳が、「独立した形」で一堂に会したのは、未曾有の出来事。今後定例化するそうで…喫緊の課題は、「金融危機への対処と、北朝鮮の核問題への対応」でしょうが、課題の一つにしていただきたいことがあります。

 それは、「漢字」です。「麻生さんが出て、未曾有が出てきたからそうくるだろうと思った」だって?いえいえ、人様の誹謗中傷などしません。真面目な話しなんですけど…。

 麻生太郎、温家宝、李明博…3人とも名前は、漢字です。この3人は、自分の名前を漢字で書くことが出来るでしょう。しかし、BUT!日中韓3国で、自分の名前を漢字で書けない人口が増えている国があるのです。日本は、大丈夫です。中国は、30年前の文盲率が、31.9%。現在も、(信頼できる数値ではないが)10%前後といわれています。実際は、まだまだ多いと思います。そんなわけですから、名前を漢字で書けないのは当然。
 驚くべきが、韓国の漢字事情。大学生でも自分の名前を漢字で書けない人が、20%前後いるという。確かな筋からの数値です。

 ソウルの宗廟の近くのホテルに泊まっていたときのこと…徒歩で宗廟へ行こうと、フロントへ行きました。「アンニョンハセヨー」は、最も得意ですが他は、「キムチ」と「マッコリ」。韓国語は、この3つ話せます。ハングルと漢字が混ざった、至極一般的と思われる地図で、「宗廟」を指さしました。30歳前後のフロントマン、やにわに奥へ行き英語を話すスタッフを連れてきました。漢字が読めなかったのですが…「宗廟」ですよ!ホテルのフロントマンが、ソウルの代表的な観光スポットの「宗廟」が読めない!?徒歩5分のところにあるのですよ。これ?おかしいでしょう?実は、私が不勉強で…そのときまで(10年ほど前)韓国で漢字教育を取りやめたことを知らなかったのです。日本への韓国からの留学生は、漢字をよく理解していましたから…。

 韓国に、自分のことを「ボク」という大統領がいました。そうです、朴大統領(ボクダイトウリョウ、1979年に暗殺されてしまいました)この朴元大統領が、小学校での漢字教育を廃止した(1970年)…38年も前だったんですね。ですから、おおよそ45歳を境に、漢字が解らない韓国人が末広がりに増え始め、30歳未満ならほぼ全滅でしょう。
 ただ、ハングル世代の親が、「漢字は将来有利、国際人の資質」と、漢字学習塾へ子どもを通わせている。その傾向は広がり、増えつつあるという。韓国にも、漢字検定があります。級を取得していると、大学入試等で、加点されるなど特典があります。

 韓国国内に、ハングル徹底推進の、「ハングル学会」と、漢字教育復活をめざす、「全国漢字教育推進総連合会」があり、敵対している…!ハングル学会には、「日本の植民地時代=漢字教育」という、忌まわしい過去との決別の意味もあるんじゃないかな。高校では、選択教科に「漢字」が入ってきますが、「中学校から必修」をお願いしたい。どうしてそんなにこだわるかって?「音読みが日本の漢字の読みと同じ」なのです。ですから、韓国人が漢字を覚えると、ハングルが解らない日本人でも、漢字で会話(?)出来るわけです。

 一方中国では、(文盲率が高いこともあり)繁体字では読めないからと、簡体字をつくっている。簡体字は…漢字に似ていますが、漢字じゃない。学者でもない私が断言するのは生意気ですが、単なる記号です。漢数字の三の真ん中へ垂直線を引いた字、つまり、カタカナの「キ」の横線を一本足した漢字というか記号。これが、繁体字の「豊」ですよ!13画の「豊」を、4画にしてしまった。漢字は象形文字にルーツをもつ表意文字。しかし、それにとどまらない。古代人の祈りや願い、夢や怖れなどが一字一字に込められている。当然、「豊」には、漢字自体にしっかりした意味がありますが、4画の記号には、意味などありゃしない。これでは漢字が可哀想。漢字の本家がこれで良いのか?相撲の本家の日本人に横綱がいないというのとは訳が違うのです。

 かろうじて伝統的漢字を守っているのは、台湾と日本。韓国には、漢字教育を復活させていただきたい。中国には、簡体字を見直し、繁体字を尊重していただきたい。
 日本のことを棚に上げて他国の漢字教育のことをとやかく言ってしまいましが…元はといえば、「宗廟」です。「ソウビョウ」といえば、「躁病」。「鬱病」とワンセットとなります。鬱病の「鬱」何も見ないで書けますか?かく言う私など、見ても書けない。老眼だから。この「鬱」が、常用漢字の仲間入りしそうなのです。現在常用漢字は、1945字。文化審議会国語分科会の漢字小委員会は…国語審議会じゃないのかって?それは、7年前に廃止されましたよ。で、その小委員会、書籍・新聞、インターネットなどから使用頻度の高い漢字を選んで、新しい常用漢字にしようと検討を進めてきました。
 「彙」「鬱」「俺」「串」など191字が追加候補。「鬱」も書けないけど、「彙」も書けないですよね。学習指導要領では、高校卒業までに「常用漢字の読みに慣れ、主な常用漢字が書けるように」と、求めています。こりゃ大変だ!「鬱病の読みは?」「ウツビョウを漢字で書きなさい」、センター試験に出るよコレ。

 日本の漢字への要望・・・。
 「日本人の成人は、庶民も、国会議員も、大臣になられる方も、漢字検定三級は取得しなければならない」ということを法制化する。三級を取得出来ない場合、国外退去を求め・・・それは未曾有のことになりますね。