アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ニシンの玉子?ニシンの卵?

2012年01月05日 | Weblog
 正月の台所では、「たまご」が大活躍します。どうして「たまご」を漢字で書かないんだって?そ、それがテーマでして…。
 ニワトリの卵、ニシンの卵、ボラの卵、サケの卵…。何の問題もないが、ニワトリの卵は、「玉子」とも表記できる。しかし、BUT!「ニシンの玉子はカズノコです」とは書かない。カズノコはニシンの玉子ではなく卵だから。

 卵と玉子に、きちんとした使い分けってあるのだろうか?
 スーパーの「たまご売り場」は、「玉子」「タマゴ」「卵」が入り乱れております。無難にカタカナで、「タマゴ」と表示するケースが多いかも。
 「たまご焼き」を漢字にすると、「玉子焼き派」と「卵焼き派」に二分されます。ここまで来ると、魚卵も、カエルの卵も、イモリの卵も、バッタの卵も、カマキリの卵も出番はなくなる。なぜなら、魚、両生類、昆虫などのたまごは、生物学的な見方が強く、「玉子」の表記は考えられないから。ニシンの玉子は消えました。

 国語辞典ではどう表記しているか?国語辞典10冊の見出しを調べた人の結果は…「卵が6」「卵・玉子が4」。この結果から分かることは、たまごは、「卵」である。ま、「玉子」も許容できますよということ。早い話が、どっちでもいいということ。スッキリしました。

 中国語には、「玉子」は、ない。と、いうことは、「玉子」は、やまと言葉(和語)ということになります。

 赤ちゃんの形容に、「玉のような男の子」というのがあります。「玉の形をした子」…確かに鶏卵は、玉のような子。それで玉子があてられた。
 
 では「卵」は…この字を見ると「カエルの卵」を連想します。真ん中の黒い点が「卵」の字の中にある点と重なりましてぇ。漢字の成り立ちもそのまんまで、象形文字であり、卵の対生する形が「卵」。

 オット、台所から横槍が入りました。「殻のあるのが玉子で、殻がないのが卵じゃないの?!」と。格調高く、卵、玉子について書いてきたのに、またぶり返す発言が。家人が、台所から叫んでいるんですけどね。
 ただ…この発言無視できません。なぜなら、「たまご」と呼ばれる前は「かひご」と呼ばれていた。「かひご」を漢字で書くと「殻子」。…確かに鶏卵、アヒル卵、ダチョウ卵…「殻」があります…。カエルの卵には殻はない。ニシンも。
 かといって、卵でも玉子でもどっちも正しいという辞典類に影響を与える説ではありませんがね。