アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

空飛ぶ官邸…

2013年01月28日 | Weblog
 15年も前の映画ですが、「エアフォース・ワン」…おもしろかったです。なにしろ、アメリカ合衆国大統領がテロリスト達と戦うのですから。
「エアフォース・ワン」というのは、アメリカ合衆国大統領専用機のこと。厳密に言うと、この説明は間違い。正しくは、「アメリカ合衆国大統領専用機に大統領が乗っているときだけ、このエアフォース・ワンというコールサインを使う」です。

 日本には、「首相専用機」「天皇陛下専用機」は、あるのか?これは…解釈によっては「ある」と、いえます。
 記憶力のいい人は、「ああ、あのとき買ったね」と、思い出されるでしょう。20年前日本政府は、米国の対日貿易赤字を減らす意図などから「ボーイング747−400型」2機を360億円で買いました。それを政府専用機としています。ですから、「首相専用機」であり、「天皇陛下専用機」になることもあるわけです。

 どこに駐機しているかって?北海道です。航空自衛隊千歳基地に配備されています。
 千歳基地の滑走路と並行して新千歳空港の滑走路があります。飛行機を操縦される方は、間違わないようにしてください。航空管制官は、航空自衛隊機も民間機も一本化しています。千歳基地は、申し込むと見学させてくれるので、時間のある方は政府専用機を見にいってください。

 政府専用機の機種は、「ボーイング747−400型」です。いわゆる「ハイテクジャンボ機」。日本からニューヨーク、ロンドンまで給油せずに飛べます。燃費?これが良くない。ですから、ANAやJALが、747をボーイング787に切り替えた。切り替えた787が、あまり調子が良くない…。それはともかく、747の場合、500席以上もある。デカイです。
 この500席のスペースを…
 執務室、会議室、事務室(秘書官などの)、記者会見用の席、シャワー室等に改造してある。定員は約150人で、随行員用の席はビジネスクラスタイプ。さながら、「空飛ぶ首相官邸」。「秘匿通話装置(盗聴されない)」「衛星電話」「インターネットやり放題」…ナメコも栽培できる。一筆書き?もちろんできます。

 CAはいるのかって?食事もしなければならないし、酒を飲みたい人もいる。よってCAも乗務します。政府専用機のCAは、航空自衛官です。CAとして乗務する航空自衛官は、航空会社の機内サービス訓練を受けています。

 2機も必要があるのかって?バックアップです。1機で出かけて故障して、ほかの交通手段で帰国するような状況になったら、警備のしようがない。ですから、要人の輸送の場合、2機飛ばします。

 なぜ、政府専用機の解説をしたんだって?…アルジェリア人質事件の被害者を乗せて帰ってきた飛行機、「日の丸」が描かれ、「日本国」の文字が…あれが政府専用機です…。