アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「ニセアカシア」改め「シロシア」

2013年07月09日 | Weblog
 今年もニセアカシアのテンプラを食べることができました。時期が遅いんじゃないかって?そうなんです。それで今年は食べられないかなと思っていたのですが、峠の頂上付近でニセアカシアの花を発見。寒い場所では開花も遅かった。そんなわけで、大変美味しく頂きました。
 ニセアカシアを食べる度に、「フグ」を思い出します。どういうことかって?ニセアカシアは、葉、果実、樹皮には毒性があるのです。つまり、花以外を食べると危険。事実、樹皮を食べた馬が中毒症状を起こした例があります。鹿はそのことを本能的に知っており、食料がない厳冬期でもニセアカシアの樹皮は食べません。
 アシビ(馬酔木)と、どっちが毒が強いかって?馬は頭がいいということになっていますが、毒でも何でも食べてしまう。「馬が酔っぱらってフラフラと歩く木」ですから、アシビの方が毒が強いかも。

 よく質問されるのが、「ニセアカシアがあると言うことは、本者のアカシアもあるということですか?」というもの。
 もちろんありますが、「アカシア」と、「ニセアカシア」は、似ても似つかないもの。アカシアに似ているからニセアカシアという名前で呼ばれているわけではないのです。

 アカシアは、「マメ科(ネムノキ亜科)アカシア属」であり、ニセアカシアは、「マメ科ハリエンジュ属」。
 では、なぜ「ニセアカシア」と呼ばれているか?これには、スペイン語を話す人たちが絡んでおりまして…ニセアカシアのことをスペイン語で、「pseudoacacia」というのですが、この意味は、「偽のアカシア」。明治になってから入ってきたのですが…不名誉な名前ですから、もうそろそろ新しい名前をつけてあげたらいいんじゃないでしょうか。例えば、「シロシア」…どういうわけでシロシアかって?花が白いからアカシアをもじってシロシア。ロシアにだってたくさんあるでしょうし。なお、本物のアカシアの花は、濃い黄色です。白ではない。

 「♪アカシアの雨がやむときぃ…」西田佐知子
 「♪アカシアの花の下でぇー…」石原裕次郎
「♪この道は…(あとのほうでアカシアが出てきます)」北原白秋
 「♪acacia(アケイシャ)」松任谷由実
 「♪アカシア」レミオロメン
 これら、全部、ニセアカシアのこと。勝手に「ニセ」を省略してアカシアとして歌っている。ニセアカシア様に対して失礼です。

 すごく気になることが一点。
 ニセアカシアの別名に、「ハゲシバリ」があるのです。「ハゲを縛るのか?」そうなると、私も縛られてしまいます。ハゲシバリの由来は、痩せた土地や海岸付近の砂地でもよく育つので、はげ山、荒廃地、鉱山周辺の煙害地などの復旧に大きく貢献してきたからなのだそう。根性がある木であることは分かるが…ハゲシバリは…。