アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

権力を持つ者…すこしの奢りは許せるが暗闇はまずい

2013年12月26日 | Weblog
 夫婦で「なんでも鑑定団」に出演以来、番組を毎週観るようになりました。と、いっても、家内が観るからついでに観ているだけですがね。家内は、なんでも鑑定団の大ファンになってしまっています。私は、「ニュース」と「YOUは、何しに日本へ」という番組は真剣に観ます。ほかは、家内が観ているから、自然に観てしまうといった程度。くだらない番組が多いです。本を読んでいる方がはるかに良い時間を過ごせます。

 で、なんでも鑑定団を観ていていつも疑問を持つのです。
 例として…(実例ではありません)
 「本物に間違いありませんねえ!いい仕事してますねえ!この絵が素晴らしい!どうぞ大切になすってください」(注:「…なすってください」で、間違いではありません)このような説明がついて、小汚い壺が100万円。
 で、また別のケースの例(実例ではありません)として…
 「下手ですねえ。何ですかその猫は?狸に見えますよ」で、評価額は150円。

 さて、一度100万円の値がついた壺、何年か経って同じものを鑑定団に出したとき、100万円前後の値が再びつくでしょうか?「下手ですねえ」と言われて、ケチョンケチョンにされてしまう…こういうことも起こるんじゃないか?「権限を持つ側に生じる暗闇」の話です。鑑定団で権限を持っているのは、鑑定士ですよね。

 「全国中学生○○作文コンテスト」というのがあります。その地方大会のさらに地方大会の、審査委員長をやりました。審査委員長ということで、権限をあたえられたわけで…。中学生の文章、極めて素晴らしい子もおります。問題は、「盗作」です。このコンテスト、入賞者の作品は、冊子になって全国の中学校に配布されます。それを丸写しにして出品してくる生徒がいる。今年は、別々の中学校の生徒の作文が、ほとんど同じということがありました。2人は友達でも何でもない。つまり、たまたま盗作しようと作文集から選んだ作品が一致した。彼らは、「平成○年度の日本一に輝いた作文だから、きっと評価が高いだろう。もし、入賞できなかったら審査員の目は節穴だ」と、思ったかも知れません。
 審査で読んでいるうちに、「あれっ?この作文さっきも読んだぞ?」というわけで、盗作だと気づきました。
 この例の場合、権限を持つ側(審査委員長)に暗闇が生じる前に、コンテスト参加者の暗闇を白日に曝した。

 アメリカの、「権限を持つ側に生じる暗闇」…
 ある無名の小説家が自作をボツにされ続けた。そこで、ベストセラー小説をタイプライターで打ち直し、自分の作品として複数の出版社に送りつけた。作文の盗作と同じ。
 「すぐばれるだろう。そうあるべきだ」と、思いながらの出来心…。
 ところが結果は…ばれなかった!しかし…有名出版社の数社は「作品はいまいちで、出版するに値しない。残念ながら出版はできない」と回答してきた。この話だけでもおもしろいのに、さらにオチがつく。
 「出版できない」と、回答してきたうちの一社は、そのベストセラー小説の発行元だった。無名の小説家へ「出版するに値しない」と回答したのは、権限を持つ人で、ベストセラーに目を通していないという暗闇。

 権限を持つ側に生じる暗闇…この暗闇で何人の有能は人が輝くチャンスを失ったことか!ありゃ?このことって、朝日と毎日が、「特定秘密保護法」について危惧していることと同じ…。金正恩とも同じ…。猪瀬さんとも同じ…。
 権限を持つトップがバカなら、敵より恐ろしいということ。